【ローマ=石田博士】ローマ法王ベネディクト16世は22日、バチカン(法王庁)の機密文書を大量に流出させたパオロ・ガブリエレ元執事を恩赦した。
法王庁が発表した。法王自ら収監中の元執事を訪ね、恩赦を伝えたという。
バチカンでは、今年初めから汚職や縁故主義を告発する内部文書がメディアで報じられる事態が続いた。5月に逮捕されたガブリエレ元執事は、法廷で「信じられない状況がバチカン内に広がっていることに失望した。悪事を一掃するために、法王の手助けをしたかった」などと犯行理由を述べた。禁錮1年6カ月(求刑同3年)の有罪判決に対して控訴せず、収監されていた。