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『ウィーンのコーヒー事情』

 

日本でおなじみの「ウィンナーコーヒー」について

コーヒーの上にホイップした生クリームを浮かべたお馴染みの、ウィンナーコーヒー。

しかしオーストリアのウィーンではウィンナーコーヒーというメニューはなく、あれに一番近いのは「アインシュペナー」と言います。

アインシュペナーとは一頭だての馬車と言う意味だそうです(何でそういうのかはガイドさんも知らなくて教えてくれなかった)。

ケーキのザッハトルテで有名なザッハホテルの「カフェ・ザッハ」でコーヒーにケーキ用の生クリームを浮かべたのが始まりだそうです。

1880年頃のことで、ケーキに使うホイップクリームがコーヒーにもよく合うと好まれるようになり、ドイツ・フランス・イタリアへと流行していったのだそうす。フランスでは「カフェヴィエノワ」って言います。

オーストリア以外の国でホイップクリームを入れたコーヒードリンクを総称してウィンナーコーヒーと呼んでいます。日本へはアメリカ経由で紹介され、正式な英語名は「ヴィエンナ・コーヒー」と言います。

ウィーンでカフェラテ(カプチーノ)に近いのを「メランジュ」と言う

  • ウィーンのコーヒーハウス(日本ならさしずめ喫茶店)で最もポピュラーなコーヒーは「メランジュ」です。コーヒーに泡立てたミルクを加えたもので、ソフトな味わいです。
    メランジュの作り方は濃いコーヒーをカップに1/3程度入れ、その上から泡立てした熱いミルクを注ぐそうだから、日本流に言うとやはりカプチーノですね。
  • ウィーンのコーヒーハウスではメランジュとカプチーノは同じモノとして扱うお店もある、区別している所はカプチーノはメランジュの上に粉チョコレートを乗せて出すのだそうです。
  • オーストリアでもウィーン以外の都市へ行くとメランジュを注文する時はカプチーノと言えと言われた。

日本の一般的な、コーヒーにミルクまたはクリームをいれて飲むのを向こうでは「ブラウナー」と言うそうで、大(グローサー)と小(クライナー)がある。

「モカ」と言うのが濃いブラックコーヒーで、小さなデミダスカップで出される。これはエスプレッソですね。

ウィーンのオペラ座の近くのコーヒーハウスでピアノの生演奏を聞きながら飲んだアインシュペナー(持ち手のついた背の高いグラスででてきた)と別の店で飲んだメランジュ、どちらもとても美味しかった。おじさんはどちらかと言うとメランジュの方が好きですが。

カフェハウス

カフェハウスの起源と言われるのはポーランド出身のオリエント商品の行商だったコルシツキーという人物だそうです。

1683年トルコ軍にウィーンが包囲攻撃され、陥落寸前だった時、この人がうまく敵の包囲網を突破してポーランド王率いる援軍を呼び寄せることに成功しトルコ軍を撃破した。その褒美として、戦利品の中から好きなものをもらうことになりましたが、金銀財宝や武器には目もくれず、黒い豆の入った袋を手にしました。
コルシツキーだけは、この豆の価値を知っていたのです。そしてこの豆、つまりコーヒー豆を元に、1686年にウィーンで最初のカフェハウスを始めたというのです。——これが最も一般的に知られる説です(違う説もあるようですが)。

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