［ライフ］【Ｃａｍｐｕｓ新聞】隠れて食事　「便所飯」の実態は…（下）＋（1/4ページ）（2012.6.12 18:10）

　≪目立たない「普通」の人でいたい≫

　彼女は１人で食べたくないあまり、ランチを抜くことも日常的にあるという。

　アンケートからも分かったように、周囲は気にしていないと伝えると、「自分は『普通』でいたいんです。１人で食べることは『普通』じゃない。ということは、１人で食べる私は『普通』のことができていない。『普通』のことができないのは、私がおかしいからだ。そう周りに思われていそうで怖いんです」

　■理想は「モブ」

　彼女は何度も「普通」という言葉を口にした。「普通」にこだわり、痛々しいほどに自分を責めてしまう彼女に、「理想の自分」とはどんなものなのか尋ねた。

　「理想の自分は漫画のモブ」。モブとはモブキャラクターのことだ。漫画やアニメ、映画などに登場する名前のないキャラクターのことであり、群集キャラ、背景キャラとも呼ばれる。

　仲間の中心にいる人気者になりたいわけではない。むしろ、「そこら辺にいる普通の学生でいい。人気者は目立つから嫌だ」という。「普通」であることを切望し、モブになりたいと願う彼女。それは、悪意の対象とならず、平和に暮らしたいという「防衛本能」のようなものなのだろうか。