任期満了に伴う熊本県知事選は25日投開票され、現職の蒲島郁夫氏(65)=無所属=が、新人で共産党熊本県委員会委員長の久保山啓介氏(68)=無所属=を大差で破り、再選された。投票率は38・44%で、同県知事選で史上最低だった2004年(38・67%)を下回った。主要政党が蒲島氏に相乗りし、事実上の信任投票となったこともあって、有権者の関心は低調だった。
蒲島氏に対しては、告示2カ月前までに民主、自民、公明、社民の各党県組織が支援を表明した。選挙戦は県議会最大会派の自民が主導。平成の大合併前の旧市町村をくまなく回った遊説には、自民の国会議員や県議らが同行するなどし、友好団体も一体となった組織力で支えた。
公約の柱として、熊本市の政令市移行や九州新幹線鹿児島ルートの全線開通を踏まえ「100年に一度のビッグチャンスを最大限生かし、幸せを実感できる県をつくる」と強調。道州制導入を視野に、熊本市の州都構想を打ち出した。
久保山氏は環太平洋連携協定(TPP)や消費税増税への反対など共産党の主張を前面に出し、次期衆院選をにらんだ選挙を展開。一方で党の県組織トップのまま推薦などを受けず政党色を薄める戦略で臨んだが、支持を拡大できなかった。
当日有権者数は147万4343人(同県選管調べ)。
■熊本県知事選(開票終了)
当 蒲島 郁夫 無現 508,917
久保山啓介 無新 52,591
=2012/03/26付 西日本新聞朝刊=