富山のニュース 【5月2日01時39分更新】

高岡の華、御車山巡行 無電柱化ですっきりの山町筋に7基

山町筋を巡行する御車山=高岡市内
 重要有形無形民俗文化財の高岡御車山(みくるまやま)祭は1日、高岡市中心市街地で 行われ、高岡の工芸技術の粋を集めた御車山7基が巡行した。3月に無電柱化が完了した 重要伝統的建造物群保存地区の山町筋(やまちょうすじ)では、住民や観光客が、すっき りした景観の中で車輪や高欄(こうらん)に施された華やかな金工、漆芸を楽しみ、藩政 期の町衆の心意気に思いをはせた。

 片原町交差点で勢(せい)揃(ぞろ)い式が行われた後、7基の御車山は、坂下町の源 太夫(げんだい)獅子を先頭に通町(とおりまち)、御馬出町(おんまだしまち)、守( もり)山(やま)町(まち)、木舟町(きふねまち)、小馬出(こんまだし)町(まち) 、一番街通(いちばんまちどおり)、二番町(にばんまち)の順で出発。商家の土蔵造り の町並みが続く山町筋に進んだ。沿道の観光客は、高さ約9・5メートルの山車(やま) に飾られた赤や黄の花傘(はながさ)や個性豊かな鉾留(ほこどめ)に目を見張った。

 山町筋の無電柱化工事は、2007年度から5年間かけて行われ、山町4町にまたがる 約580メートル区間の電線を地中に埋めた。大正期に各家の前に飾られていた提灯(ち ょうちん)台も復元し、歴史ある商人町の風情を強調した。

 高岡御車山保存会の若森征雄会長は「青空を背景に見上げた御車山は美しかった。祭り の保存と継承に努めていきたい」と満足げに話した。


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