路線バス廃止の雲ケ畑に新たな足 大型タクシー委託
唯一の公共交通機関である路線バスが3月末に廃止される、京都市北区の雲ケ畑地域で、京都市と地元住民が中心となり、4月以降の新たな生活交通を運行させることが分かった。12日に行われた住民の代表者が集まる総会で決定した。通院や買い物、通学など生活の足の維持がされることになり、住民は胸をなで下ろしている。
ヤサカ自動車に業務委託する。計画では、9人乗りのジャンボタクシーが雲ケ畑岩屋橋―北大路駅の区間14・5キロを1日2往復する。
経費は、市の敬老乗車証交付金と国の過疎地域の交通を維持するための補助金を活用。残り約3割は運賃収入でまかなうという。運営は同振興会が担い、収入が下回れば、不足分は住民負担となる。
4月までに停留所や時刻表の設置を急ぐほか、土日や祝日は、観光客やボランティアなどで訪れる人の利用もあるため、地域外の人も気軽に乗車できるようPRも進める。
運賃や運行時間の改定、停留所の増減などの重要事項は、市と住民が定期的に開く協議の場で決めるという。
昨年5月、京都バス(右京区)が不採算を理由に1日4往復、雲ケ畑岩屋橋―出町柳(左京区)を結ぶ路線バスの撤退を表明。同9月から市歩くまち京都推進室などと地元が代替交通の運行に向け協議を続けてきた。
雲ケ畑自治振興会会長の波多野隆志さん(62)は「住民の足がこれまで通り確保でき、喜んでいる。地域外の人にも利用してもらえるようPRに力をそそぎたい」と話している。
【 2012年02月14日 12時20分 】
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