九州新幹線長崎ルートで導入を予定しているフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)の曲線通過性能を確認するため四国で行われていた在来線走行試験が21日までに終了した。FGTは過去の走行試験でカーブでの速度維持が課題とされており、2018年予定の長崎ルート開業に向けても今回の試験結果が注目されている。
鉄道建設・運輸施設整備支援機構によると、試験は8月22日からJR予讃線多度津−多喜浜間で実施し、今月15日未明に予定通り試験項目を終了。11月ごろ開かれる国土交通省の軌間可変技術評価委に試験結果を報告し、実用化に向けた中間評価を受ける予定。
FGTは08〜09年の走行試験で、急カーブの走行時に遠心力でレールから脱線しようとする「横圧」が高くなり目標速度を10〜40キロ下回ったことから、同評価委は10年9月、台車とレールの改良が必要と指摘。同機構は台車を0・5トン軽量化し車輪軸の幅も縮めるなど改良、レールも継ぎ目を少なくする「ロングレール化」を実施した。
機構は、10月末から約1年をかけて在来線10万キロを走行する耐久走行試験を予讃線多度津−新居浜間で行う。FGTの実用化は、13年度末までに同評価委が最終判断する予定。