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拘置被告の居室を地検捜索、弁護人宛て手紙押収

 公判中の被告が弁護人に送ろうとした手紙などを大阪地検が拘置所での家宅捜索で押収したのは接見交通権(秘密交通権)の侵害にあたるとして、この被告が国に慰謝料などを求める国家賠償請求訴訟を今春にも大阪地裁に起こす方針を固めた。

 大阪弁護士会刑事弁護委員会は27日、「刑事弁護の根幹を揺るがすのぞき見行為だ」として、委員の弁護士を被告の訴訟の代理人に加える支援を決めた。地検は「被告は公判中で、取材には応じられない」としている。

 提訴するのは、大阪府柏原市で2008年9月に起きたパチンコ店強盗事件で強盗罪などに問われた無職石田利晃被告(41)(1審実刑、控訴審中)。

 2審で弁護人を務める同弁護士会の山本了宣(りょうせん)弁護士によると、石田被告は捜査時にパチンコ店強盗への関与を認めたが、同地裁での1審の途中で否認。地検は否認後の10年7月、この事件を巡り大阪拘置所内の石田被告の居室などを捜索し、所持品など計47点を押収した。

 石田被告側が特に問題視する押収物は、1審の弁護人に送ろうとした手紙1通や多数の書き損じ。手紙は弁護人の名字に「先生」を付けて書き出し、取り調べた検事の言動への不満などを記していた。書き損じには事件関係者の調書に対する疑問点などを書いていたという。

 山本弁護士は「内容から手紙が弁護人宛てなのは一目で分かる。こういった押収を許せば、被告や弁護士の考えが検察側に筒抜けになり、弁護活動に大きく影響する」と話している。

2012年1月28日17時25分  読売新聞)

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