概要

2010年6月の消防法改正で、スタンドの地下に埋められているガソリンや灯油などを保管するタンク(地下長タンクなど)の規制が大幅に強化されました。埋没後40〜50年を超えたタン クは油漏れを防ぐために内面を繊維強化プラスチック(FRP)で加工するか、地下に電極を埋め込み電流を流すことで腐食を防止する対策が義務付けられます。 対策としてFRP内面ライニング工事がお勧めです。改修の猶予期間は平成25年2月までです。

消防法改正によるガソリンスタンドへの影響

消防法が2月1日から改正されたことにより、 ガソリンスタンドの地下貯蔵タンクの油漏れ規制が厳しくなり、ガソリンスタンドは早急な対応を迫られています。40年以上前に埋められた貯蔵用タンクは改修が義務付けされました。また、改修の猶予期間は2年間、平成25年2月までです。景気悪化で通常の営業も厳しい中で、関係者からは「廃業するしかない」と悲鳴が上がっている状況です。ガソリンスタンドにはレギュラー、ハイオク、軽油など複数のタンクがあり、すべてを規則に適合するようにした場合の費用は数百万円に上り、経営者にとっては大きな負担となります。

消防庁側は、「厳しい状態とは思うが、 法令遵守により 『注意』 『警告』 を聞かない事業所には、法的手段を取らざるえない」と厳しい対応を示唆する考えを示しています。「腐食の恐れが高い」とされているガソリンスタンドまた、タクシーなどの自家給油所を合わせるとかなりの数に上り、そのほとんどが高度成長期に合わせ埋設されたものだそうです。消防庁がまとめた平成21年中のガソリンなど全国の流出事故総数は361件で、そのうち腐食など劣化が原因のものは109件もあり、対策は必須と言わざるを得ないです。費用を抑え且つ、最良の対策を模索する必要があるでしょう。

被災地域等地下タンク環境保全対策促進事業費補助金について

平成23年度3次補正「被災地域等地下タンク環境保全事業費補助金」についてお知らせいたします。

SSの老朽化した地下タンクの環境保全対策として、予算額:87.4億円(事業費:86.3億円)を平成23年度安全対策等基金に積み増ししました。対象地域は全国です。

ただし、補助金の本申請を受け付ける前に事前申請を行う事が必要となります。
事前申請受理証明がない場合は本申請ができません
事前申請期間は平成23年12月中旬〜平成24年1月末まで

●今回の補助金の申請は次の申請者資格を有する方々のみ可能です。
•「申請給油所を所有、運営している揮発油販売業者」又は、「運営者である他社(他者)に給油所を貸与している当該給油所の所有者」
•平成25年1月31日までに、別途の消防法の規制(腐食のおそれが特に高い/腐食のおそれが高い)で危険物漏えい未然防止措置、並びに早期発見措置の義務が課せられる地下タンクが埋設されていること。

1)事前申請
•事業者は石油協会に以下の書類を提出します。
@事前申請書 A施工業者の見積書 B当該石油所の図面(規制対象タンクを明記)
•石油協会は事業者に「事前申請受理証明書」を発行します。
•事前申請における申請総額が予算(事業費)を上回った場合は、申請者全員で予算超過分を案分し、申請総額が予算内に収まるように調整します。

2)本申請
•事業者は補助金交付申請書、「事前申請受理証明書」を提出する。
※協会が発行する事前申請受理証明書が提出できないSSは、「原則として本申請ができません」

3)スケジュール(予定)
•事前申請期間  :平成23年12月中旬〜平成24年1月末まで
•本申請受付期間 :平成24年2月中旬〜平成24年12月末まで



補助金の申請から交付までの流れ

補助金の申請から交付までの流れ

補助金の申請に必要な書類

補助金交付申請書
○同意書
○地下貯蔵タンク構造及び設置年月日照合願
○申請者用見積書(FRP内面ライニング用)
(押印した原本を提出ください。)
○申請者用見積書(電気防食用)
(押印した原本を提出ください。)
○申請者用見積書(高精度油面計用)
(押印した原本を提出ください。)
(※FRP内面ライニングに必要)
○内面ライニング施工工事に関する誓約書
(※電気防食、高精度油面計に必要)
○取得財産の管理・処分に関する誓約書
(※電気防食に必要)
○電気防食システム設置工事に関する誓約書
実績報告書
計画変更等承認申請書
(※以下は電気防食、高精度油面計に必要)
取得財産等管理台帳
取得財産等管理明細表
書類提出は所属の石油組合へ

東洋ケミカル機工株式会社は、補助金の申請準備、調査、施工、
申請補助まで総合的にご支援致します。

FRP内面ライニング協会認定の“総合”業者です。
(※ 総合とは:前調査から施工後の検査までの全工程を実施・管理する総合事業者を表します。)

事前申請には「施工業者の見積書」が必須書類となっております。

東洋ケミカル機工株式会社は、補助金の申請準備、調査、施工、
申請補助まで総合的にご支援致します。

お問い合わせはこちら

地下タンクの点検

  • (1)定期点検

定期点検は1年に1回以上行わなければなりません。点検は危険物施設の位置、構造及び設備が法令で定められた技術上の基準に適合しているかを確認するものです。定期点検の具体的な点検項目、点検内容及び点検方法については、「製造所等の定期点検に関する指導指針の整備について」(平成3年5月28日付消防危第48号消防庁危険物規制課長通知)に製造所等の区分ごとに点検表、定期点検記録表として示されています。
また、定期点検は外観などの目視点検のほか、地下貯蔵タンクや地下埋設配管については、「漏れの点検」を実施しなければなりません。

定期点検実施時のチェックポイント

1.点検計画を作成する

■点検周期を決める。
事業所の年間の操業計画を考慮し、点検周期と点検時期を決定します。
■点検実施者を決める。
危険物取扱者等の中から点検実施者を選びます。
(「漏れの点検」を実施するには、点検方法についての知識及び技能が必要です。)

2.点検結果の記録・保存

■点検結果を記録する。
点検の結果は、「定期点検記録表」に記載します。
■点検結果を保存する。
定期点検の結果は、定められた期間保存しておかなくてはなりません。地下タンク貯蔵所や給油取扱所の場合は、3年間保存することが法令で定められています。

3.点検実施後の措置

■点検結果のフィードバック
点検の結果、施設に何らかの異常が発見された場合には、再度詳細な点検の実施、異常箇所の特定、修理等を行う必要があります。また、被害を最小限に食い止めるためにも消防署等の関係機関への連絡、場合によっては施設の使用停止などの早急な措置を実施しましょう。
  • (2)地下タンク等の「漏れの点検」

定期点検の1つの項目である「漏れの点検」の点検実施者、点検方法等については、規則、告示及び「地下貯蔵タンク等及び移動貯蔵タンクの漏れの点検に係る運用上の指針について」(平成16年3月18日付消防危第33号消防庁危険物保安室長通知)により、具体的内容が示されています。

1.点検対象・方法

地下貯蔵タンク等及び地下埋設配管は、次表に示す規則、告示の定めるところにより、漏れの点検を実施しなければなりません。

点検対象・方法

漏れの点検をしなくてもよいタンク及び部分

■二重殻タンクの内殻
■危険物の微小な漏れを検知し、その漏洩拡散を防止するための告示で定める措置が講じられているもの
■二重殻タンクの強化プラスチック製の外殻のうち、地下埋設タンク等との間げきに危険物の漏れを検知するための液体が満たされているもの

2.点検実施者

危険物取扱者、危険物施設保安員又は危険物取扱者の立ち会いを受けた者であり、かつ、点検の方法に関する知識及び技能を有する者(点検技術者)が実施することとなっています。
財団法人全国危険物安全協会では、「漏れの点検」の点検技術者を養成するための「地下タンク等定期点検技術者講習」を実施しています。

3.点検対象部位

  
地下貯蔵タンク: 地下貯蔵タンクの最高液面より下部
FRP外殻地下埋設配管: 通常の使用形態により危険物と接する部分
(注入管や送油管等のうち地下貯蔵タンクに存する部分を除く)

点検対象実施部位
※液相部...地下タンクが危険物に接する部分 
(タンク内部面と危険物が実際に触れている面)

4.漏れの点検周期

地下貯蔵タンク等の定期点検(漏れの点検)

地下埋設配管に係る定期点検(漏れの点検)

  • (3)日常点検

日常点検実施時のチェックポイント

1.量の確認と漏えいの検査管による点検

■毎日の使用量と補給量をチェックする。
定期的なチェックをすることにより、異常の有無をいち早く発見できます。
■液面計や計量棒により液面を測定する。
計量棒により測定を行う場合は、計量口から計量棒を静かに挿入し、タンク底部にそっと置きます。タンク底部に計量棒を落とすと衝撃でタンク底部が損傷し、亀裂等を発生し流出事故の原因になります。
■漏えい検査管により流出の有無を確認する。
流出の有無だけでなく、漏えい検査管の深さについても記録し、目詰まりによる検査機能の低下を防ぎます。土砂等の流入等により、漏えい検査管の深さが変化することがあります。
■貯蔵施設と消費施設に流量計を設置し、地下埋設配管等の途中での流出を発見する。
相互の流量計に差異がある場合、地下埋設配管等に腐食孔がある疑いがあります。

2.地下タンク周囲の点検

■マンホール、マンホールパッキン、検査管キャップを確認する。
破損はないか、使用後は完全に閉めたか確認します。破損や閉め忘れにより、タンク室やマンホール内に水が入ると腐食の原因となります。
■地下タンクマンホールピット内、配管の点検口や配管ピットを確認する。
清掃がされているか確認します。ピット内や点検口に水などがあると内部にあるタンクへのマンホール蓋や配管が腐食しやすくなります。また、汚れていると点検しにくく、流出の発見が遅れる原因となります。
■マンホール内のプロテクターや底部を確認する。
亀裂や損傷がないか確認します。マンホール内に危険物をこぼした場合、その部分から危険物が浸透し、タンク外面の塗覆装を傷め、タンクの腐食を発生させることがあります。
■タンク上部のスラブを確認する。
ひび割れ等がないか確認します。ひび割れ等から、作業中にこぼした危険物が浸透し、タンク外面の塗覆装を傷め、腐食の原因となります。

3.遠方注入口や油分離槽の点検

■遠方注入口を確認する。
ひび割れ等がないか確認し、併せて清掃も実施します。
■油分離槽を確認する。
油の滞留はないか確認します。また、ピットのひび割れや損傷がないか確認します。

4.固定給油設備等の点検

■固定給油設備等を確認する。
固定給油設備等のカバーを外し、ポンプや配管からの漏れがないかを点検します。ポンプや配管の一部が著しく汚れている場合は、漏れている油にごみ等が付着していることが考えられます。
■固定給油設備等の吐出状態を確認する。
固定給油設備等から給油する場合、吐出状態を見てノズルから空気(気泡)が出ていないか確認します。タンクから固定給油設備等までの間に腐食などにより孔があると空気を吸い込み、吐出時に気泡が発生します。

5.付近の河川等の状況

■付近の地下水、河川などを確認する。
付近の地下水、河川などに油などのにじみや臭気がないか確認します。漏えい個所によっては、漏えい検査管により発見できない場合もあります。

地下タンク診断

地下貯蔵タンクの流出事故防止対策に係る事項
診断

腐食の恐れが特に高い地下貯蔵タンク等の要件

FRPライニング工事について

  • (1)FRPタンクライニングとは

「鐵」は構造材として、強度、靭性、経済性を有しており、加工性に優れている事から、剛性を高めることも自由自在に出来る優れた素材と言えます。
しかし、「鐵」の弱点は使用環境による酸化作用(腐食)により、素材自身の強度を低下させてしまうことです。場合によっては集中腐食の発生により鋼板を貫通させ漏洩する事態を発生させます。
タンクFRPライニングは、地下タンク素材「鐵」のもつ優位性を継続させ、腐食という弱点を補うために、FRP(Fiber Reinforced Plastics)ガラス繊維強化プラスチックを内面に積層施工いたします。
「鐵+FRP」の複合材料で、双方の利点を活用した工法です。

FRPライニングイメージ1

施工前 施工後
▲作業例1 ▲作業例2

  • (2)安全・安心さらに経済性を重視
       環境にやさしいFRP内面ライニング工法

FRPタンクライニング工法は、老朽化した地下タンクを低コスト・短工期で再生・延命し、
安全と安心をご提供します。
従来のタンク入替え工事に比べて大幅なコストダウンを実現しました。

お問い合わせ

お問い合わせはこちら

 

FRPライニング工事の詳細は 東洋ケミカル機工株式会社HPへ

詳しくはこちら