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松永・緒方被告に死刑求刑、検察 残虐性を強調北九州市小倉北区の監禁・連続殺人事件の論告求刑公判が2日、福岡地裁小倉支部(若宮利信裁判長)で開かれた。7人を殺害したとして殺人罪などに問われた松永太(43)、共犯の緒方純子(43)両被告に対し、検察側は「希代の連続大量殺人事件で、刑事責任は我が国の犯罪史上、比肩するものがないほど重大。鬼畜の所業をもやってのけた2人には、改善更生の見込みがないことは明らか」として、両被告に死刑を求刑した。最終弁論は緒方被告側が4月27日、松永被告側が5月11日の予定で、判決は7月にも言い渡される。 検察側は、両被告が金を得る目的で7人を監禁して虐待し、利用価値がなくなると口封じのために次々に殺害した模様を詳述した。 松永被告の性格について、際立った小心さゆえに自ら犯罪を実行することを極度に嫌うとし、緒方被告は割り切りが早く、猪(ちょ)突猛進に行動する傾向があると分析した。 共謀については、善悪のたがが外れた発案者(松永被告)と、その指示にひたすら従う忠実な実行者(緒方被告)として車の両輪と例え、松永被告が首謀者と指摘しながらも、両被告一体の犯行と判断した。 さらに、7人の遺体を解体、遺棄した点について、「わが国の犯罪史上例を見ないほどに完ぺきで、完全犯罪をもくろんだ。髪の毛一本たりとも残さない徹底ぶりは場当たり的な思い付きではない」と、周到に計画された犯行と指摘した。 通電による虐待を繰り返され、食事も満足に与えられず栄養失調で衰弱し、殺害された被害者の無念さにも触れ、「同種の事件を多数処理してきた我々検察官にとっても、想像を絶するというほかない」と、類をみない残虐性を強調。中でも緒方被告のおい、優貴君の殺害は、既に殺されていた母親に会わせるとだました上に姉の彩さんに絞殺させ、遺体の解体をさせるなど、「残酷で非道の極みとしか言いようがない犯行」と断じた。 個別の情状では、松永被告に対し「被害者の家族に殺害と死体処理を手伝わせ、犯罪者意識を持たせて支配を続けるという悪魔のごとき発案をした。人としての情が全く欠如している」と指弾。法廷での否認供述は「死者を冒とくし、不自然で不合理な変遷を繰り返しており、取るに足らない弁解」と切り捨てた。 一方、自供に転じ、事件解明に重要な役割を果たした緒方被告についても、「犯行を阻止する機会はいくらでもあったが、最終的に忠実に実行したのは、冷徹な死刑執行人そのもの。共同正犯としての刑事責任を負うことは当然で、自供が死刑回避の理由にはならない」と断じた。 (2005年3月3日 読売新聞)
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