北九州監禁殺人、緒方被告無期確定へ

緒方純子被告

　北九州市のマンションで１９９６〜９８年、男女７人が死亡した監禁・連続殺人事件で、殺人罪などに問われた緒方純子被告（４９）について、最高裁第１小法廷は、１審の死刑判決を破棄して無期懲役とした２審・福岡高裁判決を支持し、死刑を求めた検察側の上告を棄却する決定をした。決定は１２日付。宮川光治裁判長は「首謀者から虐待を受け続けた結果、犯行に加担した点などを考慮すると、死刑にするほかないとは断定しがたい」と述べた。無期懲役が確定する。

　決定は裁判官５人のうち４人の多数意見。検察官出身の横田尤孝裁判官は、死刑が相当だとして高裁への差し戻しを求める反対意見を述べた。

　決定は「殺害の実行を担当するなど、いずれの犯行でも重要な役割を果たした」と述べ、死刑の選択も十分考えなければならないとしたが、内縁関係にあった松永太被告（５０）（１、２審死刑、１２日に上告棄却）から虐待を受け、指示に従わないのが難しい心理状態だったと指摘。積極的に自白して解明に寄与し、反省・悔悟の情を示していることから、死刑は重すぎると結論づけた。