ミャンマー(ビルマ)政府の閣僚と民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさんが12日、最大都市ヤンゴンで会談し、国の平和や安定、民主主義の進展などに向けて「双方が協力していく」との共同声明を出した。ただ、双方の思惑には隔たりが大きく、民主化の進展には懐疑的な見方が強い。
スー・チーさんと政府側との会談は昨年11月の自宅軟禁解除以降、2回目。先月25日と同様、アウン・チー労働相と会った。民主化運動関係者によると、こうした共同声明は、今年3月まで続いた軍事政権時代を含めて初めてという。声明では対立を避け、今後も会談を続けていくことも確認された。
スー・チーさんが率いる国民民主連盟(NLD)は政府に少数民族との停戦を求め、14日には地方での会合も計画するなど、徐々に政治活動の幅を広げつつある。これに対し、政府は今のところ直接的な警告や妨害はしておらず、容認する構えを見せている。
12日、首都ネピドーで記者会見したチョー・サン情報相も「政府が国民和解を求める中でNLDとも協力していきたい」と述べ、昨年の総選挙に参加せずに解党扱いになったNLDに政党登録を勧めた。