今回の東日本巨大地震(東北地方太平洋沖地震)ではあまりにも多くの尊い生命が失われ、さらに多くの方々が先の見えない過酷な避難生活を強いられている。衷心より哀悼の意を表するとともに、心よりのお見舞いを申し上げたい。
これだけの大災害に直面しながらも、日本人は秩序と冷静さを失っていない。被災地では誰もが生活用品を必要としているはずなのに、略奪・争奪が起きたという話は聞かない。「島国」ならではの互助精神なのか、「大陸」ではこうはいかない。
前回は韓国人・朝鮮人の対中意識を取り上げた。漢民族という隣人を陸続きで持つことの悲哀を韓国ではハン(恨)と呼ぶことも学んだ。それでは隣のモンゴル人の対中意識はどうなのだろう。これが今回のテーマである。
モンゴルの中国人
外務省・海外安全ホームページのモンゴルに関する安全対策基本データに面白い文章がある。
「歴史的背景から中国人に対するモンゴル人一般の潜在的な感情には複雑なものがあります。街頭で日本人が他の外国人と間違えられてモンゴル人に殴られた事件やトラブルも時折発生しています」
さすがは古巣の官僚文学だ。何とも分かったようで分からない文章である。そこで米国務省のモンゴル渡航情報を読んでみたら、やはり同様の記述があった。
「nationalist groups frequently mistake Asian-Americans for ethnic Chinese or Koreans and may attack without warning or provocation. Asian-Americans should exercise caution walking the streets of Ulaanbaatar at all times.」
「モンゴルの民族主義者がアジア系米国人を中国人や韓国人と間違え、警告・挑発なしに頻繁に攻撃しているので、ウランバートルの街中を歩くアジア系米国人は常に注意すべきである」
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