「天災の人道支援に偏った民族主義を持ち込むな」―中国メディア

  東日本大震災の救助支援活動のために、中国の国際救助隊15名が13日に羽田空港に到着した。華声在線には偏った民族主義的観点から日本での災害を喜ぶようなネットユーザーの存在を批判すると共に「人類の安全と進歩のために、日本に支援をしよう」と呼びかける文章が掲載された。

  文章ではまず、日本は「記録上最強の地震」によって史上最大の災害に遭遇しており、中国を含めた全世界が救援のために行動を起こしていると説明。一方で、中国国内のニュースサイトのユーザーコメントには「他人の不幸を笑う」ような発言が見受けられることを指摘。「新旧の遺恨によって民族主義が激化していることは理解できるが、それとは天災や人道とは関係ない」として、そのような意見が出ていることに対して不快感を示した。

  そして、2008年に発生した四川大地震の時に日本政府が5億3000万円とサウジアラビアに次ぐ多額の義援金を送ったこと、日本のコンビニエンスストアではいたるところで四川大地震向けの募金箱が設置されていたこと、パナソニックやソニーなどの大企業が相次いで寄付を行ったことなどなど、全部合わせると12億元以上の資金援助を受けていたことや、外国の救援隊としては真っ先に31名の国際救援隊を派遣してくれたことを紹介。「これらはいずれも民族の感情を超越した人道主義を表している」とした。

  また、GDPが日本を抜いたとしても、一人当たりの収入や福利厚生制度では「目下わが国は遠く足元にも及ばない」と述べるとともに「人、という観点から、日本人の考え方は学ぶに値するものだ」との意見を示した。そして「災難と安全、進歩と発展、幸福と尊厳は人類にとって永遠のテーマ。これらを理解するのに狭隘(きょうあい)かつ冷淡、さらには自分勝手な態度は要らない。必要なのは学ぶことと助け合うことだ」とまとめた。(編集担当:柳川俊之)

【関連記事・情報】
震災でも秩序保つ日本人、「人に迷惑かけない」精神=中国報道(2011/03/14)
マグニチュード9大地震、日本経済の傷口に塩=中国人有識者(2011/03/13)
上海の各大学が被災地出身の日本人留学生をサポート(2011/03/13)
米空母、被災のNZも、震災支援で各国救助隊が続々到着(2011/03/13)
日本の大震災:中国で見舞いと「がんばれ!」の声が圧倒的多数(2011/03/12)

各国ブログから見る日本、世界では日本をこう見る - サーチナ・各国ブログ

注目の企画