石川のニュース 【3月2日03時21分更新】

空き家対策で検討委 金沢市が新年度
 金沢市は新年度、空き家対策検討委員会を設置する。空き家が管理されないまま放置さ れ、地元住民から防犯、防災や建物の安全性の面でも不安の声が上がるケースが増えてい る。他都市では空き家管理の条例を制定する例もあり、適正な管理のあり方を探る。

 市によると、適正に管理されていない空き家はまちなか区域だけでなく、市内全域で見 受けられる。増加傾向にあるとみられるが、実態の把握は困難な状況だという。

 今年度、町会関係者から市に寄せられた空き家に関する相談は約20件となっている。 所有者が県外在住で十分に管理できないケースがあるほか、登記簿上の所有者が死亡し、 相続人が複数存在するため特定できないことも少なくない。

 特定できない所有者を確認するための法律的な根拠はなく、個人情報の問題もあって市 が直接調査に乗り出すことができないのが実情である。検討委員会は弁護士らで構成され る予定で、年度内に対策を取りまとめ、地元住民から空き家に関する相談が寄せられた場 合に、適切に助言、対応できる体制整備につなげる。

 埼玉県所沢市や富山県滑川市では空き家対策に関する条例を制定している。所沢市の条 例は、所有者に適正な維持管理を義務付けるとともに、住民から空き家に関する情報提供 があれば、市が実態調査を行い、所有者に必要な措置を勧告できるとしている。市はこう した事例も参考にしながら、住民の不安を取り除くための実効性のある施策を講じ、安全 安心のまちづくりを推進したい考えである。


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