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[国際]ニュース トピック:中東・アフリカ
【エジプト衝突】同胞団参加で新局面 政権崩壊に備え“場所取り”も
2011.1.29 00:22
【カイロ=大内清】反政府デモが続くエジプトは混迷の度を深めている。同国の非合法イスラム主義組織、ムスリム同胞団が28日の金曜礼拝後のデモに参加し、エジプトの反政府デモは新たな局面を迎えた。金曜礼拝でデモ参加者の宗教心が高揚、治安部隊との衝突が激化した格好だ。
また、緊急帰国しデモに参加したエルバラダイ国際原子力機関(IAEA)前事務局長も「(ムバラク政権が崩壊すれば)政権移行を主導する用意がある」と語るなど、今後の政治プロセスで主役となることへの野心を隠さない。
既存の野党勢力もデモ参加を表明し、ムバラク政権が崩壊した場合に備えた“場所取り”を始めた。今後は各政治勢力間で、デモの主導権をめぐる争いも本格化しそうだ。
当局による監視を受け、しばしば弾圧の対象ともなってきたムスリム同胞団は今回のデモで、メンバーが個人で参加するのは容認する半面、組織としては静観する姿勢を示してきた。当局をいたずらに刺激し、さらなる摘発を受けることを警戒してのことだ。
しかし、組織としてデモへの参加を決めたということは、政権側との全面対立も辞さない方向に方針転換したことを意味する。治安当局は同胞団の参加表明直後の27日夜、指導部の主要メンバーら少なくとも20人を逮捕した。
「イスラムこそが解決だ」をスローガンとする同胞団のメンバーは弁護士や医師などのエリート層出身者が多いものの、慈善活動などを通じて貧困層にも浸透している。
今回の一連のデモに対しては、庶民レベルで冷ややかな目を向ける人も多かったが、同胞団が貧困層をも動員し始めれば、さらに拡大・先鋭化する可能性もある。
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