現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 国際
  4. ヨーロッパ
  5. 記事

仏右翼政党、三女のマリーヌ新党首選出 大統領選に照準(1/2ページ)

2011年1月16日23時5分

印刷印刷用画面を開く

Check

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

写真:仏・国民戦線の党大会で15日、党首当選が確実になり、支持者の歓声に応えるマリーヌ・ルペン氏=トゥール、レミ・ファブレス氏撮影仏・国民戦線の党大会で15日、党首当選が確実になり、支持者の歓声に応えるマリーヌ・ルペン氏=トゥール、レミ・ファブレス氏撮影

 【トゥール(仏中部)=稲田信司】フランスの右翼政党・国民戦線(FN)は16日、党大会でマリーヌ・ルペン氏(42)を新党首に選んだ。経済危機を受けて反イスラム感情が高まる欧州では、移民排斥を訴える右翼政党が次々と政権入りを射程にとらえる。FNもこの潮流に乗って、来年の仏大統領選に向けて党勢拡大をねらう。

 この日、正式に発表された党員投票の結果によると、40年近くFNを率いたジャンマリ・ルペン氏(82)の三女で欧州議会議員のマリーヌ氏が得票率67%を上回り、対立候補のゴルニシュ前幹事長(60)に圧勝した。マリーヌ氏は記者団に「FNの歴史は新たな段階に入った。党首に選ばれたということは、次期大統領選の候補になることを意味する」と勝利宣言した。

 経済危機のあおりで失業が広がるフランスでは、サルコジ右派政権の支持が低迷する一方、年金の法定受給年齢を引き上げる改革を止められなかった最大野党・社会党への不満も高まった。FNは二大政党離れを好機ととらえ、「批判政党」から「政権政党」への脱皮を急いでいる。

 4カ月に及ぶ党首選でマリーヌ陣営は、ナチス・ドイツを思わせる「こわもて政党」からの脱皮を試みた。妊娠中絶に反対する保守層や工業地帯の労働者などの支持基盤に加え、経済危機の不安を深める都市部の中間層への支持拡大を期待したからだ。

 マリーヌ氏は弁護士出身で、2度の離婚歴があるシングルマザー。「政教分離」と「手厚い福祉」を掲げた。妊娠中絶反対などのキリスト教の伝統的価値観や、減税などの自由主義的な経済政策を重んじる旧世代の殻を破る動きだ。デンマークやオランダで、政権に閣外協力する段階まで勢いづいている右翼政党の主張とも似ている。

前ページ

  1. 1
  2. 2

次ページ

PR情報
検索フォーム

おすすめリンク

内閣支持率は急落し政権は沈没寸前。菅直人首相が「1月解散」に踏み切るという仰天情報が――。

自民党の『寝業師』が動き出した。衆院議院運営委員会の筆頭理事、菅義偉氏だ。

旧日本軍の戦争犯罪を引き合いにした日本企業への糾弾は全米に飛び火するのか?


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内 事業・サービス紹介
  • 中国特集