ツイッター悪用 民主議員16人になりすまし

2010.6.1 09:35

 ミニブログ「ツイッター」で民主党の参院議員16人が「なりすまし」の被害にあっていることが分かった。同時刻に「友愛!友愛!」と同じ投稿があることなどから同一のいたずらとみられる。なりすまされた議員の大半が次期参院選に出馬するため、議員らは「選挙妨害になりかねない」と困惑している。

 ◆「友愛!友愛!」

 なりすましにあったのは、ネット選挙運動解禁を検討している与野党実務者協議会の桜井充座長や、藤本祐司・国土交通政務官ら。このうち、12人は7月に想定される参院選の立候補予定者。議員本人の顔写真を掲載、公式ホームページへのリンクが張られ、プロフィル欄もほぼ正確に記載されている。

 投稿は「議員会館で昼飯です」「地域なくして日本の成長なし」などと本人を装っているが、エープリルフールの4月1日午後11時36分に15人のなりすましが「友愛!友愛!」と鳩山由紀夫首相の公式ツイッターに話しかける投稿を行った。翌2日には若手議員になりすましたツイッターで「エープリルフール『twitter議連』はいかがでしたか」と“犯行声明”が出された。多くのなりすましが互いにフォロー(読者登録)し合っており、同一のいたずらとみられる。

 ◆「選挙妨害に」

 公式ツイッターと思いこんでフォローする有権者もおり、桜井氏の事務所には4月、支援者から「最近、ツイッターを更新してないが、どうしたのか」との問い合わせがあったという。

 参院選への出馬を決めている大久保勉氏の事務所は「選挙中に変な投稿をされ、有権者に誤解されたら困る」。藤本政務官の事務所は「対応を検討したい」としている。

 与野党実務者協議会では、立候補者や政党が選挙運動にホームページとブログを利用できることで合意。ツイッターについては「なりすまし対策が不十分」として自主規制する方向だ。立候補者のなりすましが選挙期間中に投稿すれば、事情を知らない閲覧者から「自主規制違反」とみなされる可能性もある。

 なりすまし対策について、サービスを提供している米ツイッター社は「混乱させる意図が明らかな場合は削除する」としているが、ネットと選挙に詳しい国際大学グローバル・コミュニケーション・センターの庄司昌彦主任研究員は「有権者側も本物かどうか判別する能力が求められている」と話している。

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