〜べしゃり写真館〜
君は薔薇より美しい？
撮影Ｍ．Tanaka
2007年05月25日のネタ
「山谷親平さん（その２）」
〜前回に続き、番宣も含めてご案内〜
山谷親平さんをご存知でしょうか？
日本で初めてパーソナリティーを名乗った人物。
それが、山谷親平さんです。
昭和３１年６月１日。
福井放送で毎朝６時２０分からの生番組
「お早う皆さん」をスタートさせました。
月曜から土曜日まで・・・
雨の日も、晴れの日も、そして雪の日も、
台本などはなく、新聞各紙からの朝一番の情報を精査して、
独特のべらんめい調で時事を斬っていきました。
「お早う皆さん」は
３２００回以上の放送回数を記録。
昭和３８年１１月まで担当します。
山谷親平さんはアナウンサーではありません。
もともとは新聞記者です。
大正１１年、母の生家である芦原温泉の「べにや」で生まれます。
育ちは主に東京。
戦時中は学徒動員で陸軍飛行隊へ志願、
加藤隼戦闘隊に配属され南方戦線に就きました。
３回の撃墜にあうも生還して終戦を迎えます。
戦後は東京のサンケイ新聞政治部記者をつとめ
２９歳の年に身体を壊し福井へ戻ります。
そして福井新聞政経部長をつとめてのち
ニュースを強化したかった福井放送へ
今の編成局長にあたる放送部長として招かれ
現場の最高指揮にあたりました。
福井放送開局１年目の昭和２８年でした。
ある日、親平さんは料亭の女将に
「ラジオ福井は毎朝何時にはじまるのか」
「毎日バラバラじゃないの」と言われます。
今では信じられませんが
放送担当者や技術担当者が
寝坊することが多かったという時代。
朝５時開始が平気で６時、７時になる・・・。
「これじゃいかん！」
「朝の時報を頼りにしている人もいるのに」
ならば、と親平さんは自身が早朝に出社して
ニュース解説をする生番組をスタートしたのです。
それが「お早う皆さん」です。
日本で初めての、生ワイド番組の原型と言われています。
昭和３３年放送開始の
ラジオ関東（現アールエフ・ラジオ日本）「きのうの続き」。
昭和３４年放送開始のＫＲ、ラジオ東京（現ＴＢＳラジオ）
「東京ダイヤル」よりも数年早いスタートです。
日本初の生ワイド番組「お早う皆さん」。
さらに山谷親平さんはその番組で
「パーソナリティー」を自ら名乗りました。
親平さんについては
昭和４０年から始まった東京のニッポン放送の番組が有名です。
とくに「テレフォン人生相談」（昭和４０年スタート）の番組で
『日本で初めてパーソナリティーを名乗った』というのがすっかり定説になっています。
しかし、じつは・・・
福井放送で昭和３０年代、
すでにパーソナリティーと名乗っていたのです。
これは昭和３１年、
福井放送の社長とアメリカの放送業界を視察した際に仕入れてきたものです。
昭和３８年。
福井放送常務取締役編成局長をしながら
番組をつとめていた親平さんに転機が訪れます。
福井放送を辞任して臨んだ国政選挙。
昭和３８年１１月。
衆議院選挙福井全県区に出馬します。
結果は
・・・落選。
福井の家を売り、一転失業です。
一家そろって東京へ移ります。
昭和３９年には放送界を離れ、
福井ビニール（現フクビ化学工業）の東京営業所長として働きます。
「ヤマもタニもあるがシンペイするな」とは本人の言葉。
この言葉通り、翌年の昭和４０年、
ニッポン放送で２０年、５６０１回続いた「お早うニッポン」が始まったのですが・・・
昭和３１年スタートの福井放送「お早う皆さん」から
昭和４０年スタートのニッポン放送「お早うニッポン」へ。
さて、どういう経緯で始まったのでしょうか？
というよりも
そもそも山谷親平さんとはどんな人物で、
ここ福井でどんな活躍をしたのか。
生涯フリーのジャーナリストとして、
ラジオパーソナリティーとして活躍した親平さん。
昭和５９年１１月２８日、急性白血病のため亡くなります。
６２歳でした。
そんな親平さんを調べてみたら・・・
・・・いやぁとにかくすごい人物ですよ。
どんな人物なのか・・・そんな魅力を伝える番組が放送されます。
５月２８日（月）１９時から放送。
「僕たちのＲａｄｉｏ Ｄａｙｓ 山谷親平物語」
私は山谷さんをニッポン放送の番組へ誘う
重要な人物を演じています。
どうぞお聴き下さい。
ラジオセンター 重盛政史
