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「ベンジン懐炉」 軽くて暖か、若者にも人気 (2/2ページ)
発明したのは祖父、仁市氏。「ロンドンで購入した触媒ライターをヒントに、長年の研究の末、懐炉への応用で特許を取得。大正12年に創業した」。現在、三十数カ国に輸出し、「特に環境意識の高い欧州で需要が伸びている」という。
平成15年に本格登場したのが「ジッポーハンディウォーマー」(オイル付きで4200円)。ジッポーライターの輸入代理店マルカイコーポレーション(大阪市西区)が、喫煙人口が減る中で「ジッポーオイルをライター以外に活用したい」と発売した。丸形の「ミニ」(同3780円)も投入し、昨冬まで計25万個を販売。昨年から本家米国にも輸出した。「Zippoのロゴが若者にアピールしたうえ、コンビニなどでも買えるジッポーオイルの手軽さも受けた」とみる。
「KAWASAKIポケットウォーマー」で昨年参入したのは川崎精機製作所(東京都荒川区)。今年の新作(3150円)は発熱時間を最大12時間に抑えて長さ70ミリ、幅50ミリと小型化。アルミ素材で3分の1の軽さにした。「韓国の代理店から38度線を守る兵士向けに強い要望があったのがきっかけ」と2代目社長の川崎幸雄さん(77)。ゴールド、シルバー、ピンクに着色して「ネットやアウトドアショップ、バイク店で人気となり、発売した先月だけで1万個売れた」。
同社も大手オイルライターの下請けだったが、「使い捨てライター登場で、鼻毛カッターなど美容器具に転換」。社長以下18人は成型プレス機の故障に遭いながら、休日返上で出荷に追われている。
4種ともそろえる東急ハンズ新宿店では「ハクキンが週に20個、ジッポーとミニが各10個ほど出る。川崎はまだ入荷したばかり」。ハクキンカイロを購入した40代男性は「暑がりなので必要ないと思ったが、一度使うとホッとする暖かさでクセになる」と話していた。