確かに掛け声は変身しなければ滅多にする機会はないですよね(笑)。では、変身前後の動きを合わせるため、カブトのスーツアクターの高岩さんとよく打ち合わせはされているんですか?
「テレビでは細かいところの打ち合わせは殆どなくなりましたね。もう、完全に信頼させてもらっているので。でも、劇場版の天道はTVと全然違うので、そういう部分では今すごく打ち合わせしています。動きや戦い方、癖もテレビとは全部違っていて、僕の演じる天道に合った戦い方を考えて下さってますね」
ということは、テレビの序盤でもキチンと打ち合わせされていたんですか?
「僕はまず、そういうところにすごく大事なものがあるというのが感覚的に分からなかったんです。やっぱり“変身”っていうのは特殊じゃないですか。完全にスーツアクターの方に任せていいものだと思っていたんですね。僕が口出しするような場所じゃないなって。でも、高岩さんが『こうした方がいいかな?』とか質問されてきてくれたのを、『もちろんですよ』とか『僕なんかは何も言えないですよ』って感じで返していたんです。でも、それは違うと言いますか……向こうにとっては必要なことだったんだなと今は思いますね。だけど、僕が何も言わなくても高岩さんが僕のお芝居を見て、変身後の『カブト』というキャラクターを作ってくれたので良かったです。今思えばもっと話し合って作っていければよかったなと思いますね」
アクションといえば、一度ゼクトルーパーにハイキックを決めているシーンがありましたが、アクションはもっとやってみたいと思いますか?
「出来れば見ていたい方なんですけど、割と最近はやりますね。まだ放送されていない分ではやっていたりもするんですけど……もういいです(笑)」
なるほど(笑)。ところで、水嶋さんの中での“ヒーローの条件”を、天道に当てはめたりしたことはありますか?
「きっと昔も今も、悪いことをしていない人というか……本当に正義感丸出しの人なのかなって。自分の中では『それでいいんじゃないかな』と思っている部分もあります。ただ本当のことを言うと、悪いことをして初めて良いこともしている部分もあると思うんです。でも、そんなところは見せる必要は無いと考えているので、あくまでも最強に強い正義感を持った人物ということでいいんじゃないかなと思います」
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ちなみに、子供の頃はどんな人物に憧れていました?
「役者さんだと、ジム・キャリーに憧れてました。すごいコメディアンなんですけど、彼が好きで毎日出演作を見ていましたね。真似して遊んだりもしました」
では、ジム・キャリーに憧れて役者の道へ?
「いえ、それは全く違うんですね。彼みたいになれるとは思えないし、なろうともあんまり思わないんですけれども……俳優を志した切っ掛けというのはちょっと変わってて、本当はプロサッカー選手を目指してサッカーをやっていたんですよ。で、大学行くかサッカーを取るかという選択の時に大怪我をしてしまって、結局大学を取ったんです。その時にサッカーに対する情熱も冷めていってしまって……。本当に僕にはサッカーしかなかったんですけれども、サッカーを失ったときに僕には何もなくて、どうしようと思ってたんです。でも、僕は英語が喋れたので色々な世界を見て刺激を受け、サッカーに変わる何かを見つけてみようと思ったんですけど、先立つものがなくて……。『なにか良いアルバイトはないかな?』って探していた時に、大学の先輩ですごく有名なモデルさんがいて、その人が絶対良い仕事が取れるって言ってくれたんです。その時は雑誌に出るだとかそんな事は思ってもいなかったので、絶対出来ないと思って最初は断っていたんです。けれども、『大丈夫大丈夫。事務所に入るためにお金を出すとかそういうことは一切無いし、ダメだったらダメだったでいいじゃないか』と。色々な人にも会えるし、何かの切っ掛けになるかもしれないし、良い仕事に出会えれば旅行資金も短時間で貯まるかもしれないと思ったんですね」
最初はサッカーに代わるものとして、モデルを始められたわけですね……。
「はい。そこから半年ぐらい、雑誌からショーまでお仕事を一応一通り経験している中で、すごく頑張っている自分がそこにいたんです。でも、出会った人の中には外見をウリにしている人が多くて……。中には内面的に素敵な人も大勢いたんですけど。そういう現実がイヤで、自分もそう思われたくないなと思って、すごく内面を磨きたくなったんですね。自分の中で、実は外見なんてどうでもいいのかもしれないなという答えになったんですよ。そうしたら役者っていう仕事は、すごく良いものなんじゃないかと思いまして。そう思っていたら、今の事務所に縁があって入れたんですよ。本当にタイミングが良かったというか……本当に役者になりたいと思った瞬間に役者になれたので、今思うとむちゃくちゃ運が良かったなと。それで、こんなに早い段階で主役として番組をやれるというのはすごく幸せですね。今までは、割と運が悪い方だと思っていたんですけど……」
少しずつ運が向いてきたのかもしれませんね……。そういえば、カブトが始まってから町で声を掛けられたり、ご家族・ご親戚の反応が変わった…なんてことはありましたか?
「やっぱり普通に髪をセットして、コンタクトを付けて町を歩くっていうのは中々厳しくなってきましたね(笑)。普段はメガネなので、メガネをかけたり帽子をかぶるとまだ大丈夫ですね。あと、家族は毎週テレビを通じて僕に会えるというのがやっぱり嬉しいみたいですね。それを見て、見終わったらまた見てって……。5〜6回見ているらしいんです。最後には僕にメールをしてきて、『上手かったねぇ』なんて……。そういう感じで家族とも繋がれる切っ掛けが出来たので良かったなと思いますね」
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