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「水差された」自民議員怒り…中山国交相は辞任後も持論

日教組への発言に関する記者の質問に応じる中山国交相(28日午前、国交省で)=加藤祐治撮影

 相次ぐ問題発言で辞任に追い込まれた中山国土交通相は、28日の最後の記者会見でも、日教組をめぐる一連の発言について「撤回しない」と開き直った。

 なおも「(日教組には)子供をダメにしようという闘争方針で活動している人がいる」などと“持論”を展開。近く予想される総選挙に向け、地元に戻っていた自民党議員らからも「完全に水を差された」と怒りの声が上がった。

 首相官邸で麻生首相に辞表を提出後、午前10時半すぎから、国交省内で辞任会見に臨んだ中山氏は、約70人の報道陣を前に「重要なポストにつけていただき、意欲を燃やしていたが」と無念そうな表情で語り始めた。しかし、質疑応答で日教組を巡る発言について聞かれると、「政治家としては撤回したという考えはない」と強調し、「(国民の関心を呼んで)良かったと思う」と言い放った。

 「日教組は教育のがん」などと前日に地元・宮崎で発言した内容については「確信的にあえて申し上げました」と語気を強め、報道陣から「辞任する覚悟だったのか」と聞かれると、無言のまま軽くうなずいた。会見は約1時間。ほとんどが放言問題だった。

 わずか5日で大臣が去った国交省では「あまりに無責任」と批判の声が噴出した。幹部の一人は「道路財源の無駄遣いや官製談合から、信頼回復に向けて動きだしたばかりなのに。省のイメージは悪くなるばかりだ」。成田空港問題に携わったことがある職員は「現場の苦労を知らない人の発言」と怒り心頭の様子だった。

 麻生内閣発足後、初の週末となり、選挙をにらんで地元に戻るなどしていた自民党議員らからも、出はなをくじかれ恨み節が漏れた。

 中山氏の隣の選挙区である宮崎2区から出馬予定の江藤拓衆院議員は「がっかりしている。日本全国の選挙に影響が出る」と困惑しきり。自民党北海道連会長の今津寛衆院議員は「国会の論戦で、我が党の政策をしっかり有権者に理解してもらってから選挙に臨む方がいいかも……」と、早期解散を避けたい考えをにじませた。同党秋田県連の鈴木洋一幹事長は「総選挙への機運を高めていたのに、完全に水を差された。有権者に私が謝罪しても仕方ないが、説明して歩かなければならないだろう」と怒りを隠さなかった。

 民主党側からは「思わぬ敵失」との声も。東京5区で返り咲きを目指す手塚仁雄・前議員は「麻生さんの任命責任は重い。その点を有権者に問う」と語気を強めた。秋田3区から民主党公認で立候補予定の京野公子氏は「勝負をかけたはずの麻生内閣の閣僚から、こんな発言が出るなんて。選挙に与える影響は(民主にとって)悪くないはず」と話した。

2008年9月28日22時54分  読売新聞)
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