2008年03月05日 更新

1日ゼロックス・スーパー杯の警告乱発に川淵C「問題あった」

ゼロックス・スーパー杯でカードを連発した家本主審。キャプテンもあきれ顔だ

ゼロックス・スーパー杯でカードを連発した家本主審。キャプテンもあきれ顔だ

 日本サッカー協会の川淵三郎キャプテン(71)=写真=は4日、ゼロックス・スーパー杯、鹿島−広島戦(1日、国立)で警告が乱発されたレフェリングについて初めて言及し、「問題があったといわざるを得ない」などとゲームコントロールの悪さに苦言を呈した。8日のJリーグ開幕を目前に控え、審判全員に対して引き締めを図った。

 J開幕目前。川淵キャプテンは自身がパーソナリティーを務めるラジオ番組(ニッポン放送「キャプテン川淵の行こうぜ! オレたちのニッポン!」)の収録で、やや表情を曇らせて口にした。

 「ゼロックスではレフェリーのコントロールがかなり悪かった」

 家本政明主審は11枚のイエロー、3枚のレッドとカードを乱発。両軍の選手も感情的になり、荒れた試合となった。

 当日は周囲に配慮して言及しなかった川淵キャプテンだが、この日は「もちろん選手も悪いけど」としたうえで、「事前に選手に注意するなどの配慮が必要だった。カードは起こった出来事に出せばいいわけではない。レフェリーとして一番大事なのは笛を吹くことではなく、いかにゲームをコントロールするか」と語った。

 カードが出ない試合の流れを作り出すことこそ、審判の仕事ということだ。2月の東アジア選手権では、北朝鮮人主審の不可解な判定で、日本代表が中国代表のラフプレーに何度も遭って苦しめられたばかり。

 「中国戦ではレフェリーが早めに止めないまま進行したため、日本はかなり危ない目にあった。早めに危険なプレーを抑止するレフェリングをすべき」と川淵キャプテン。そんな思いもあっただけに、開幕直前のJリーグの審判には、さらに的確な統率を望んだ。

 「問題があったといわざるを得ない」。日本サッカー界のトップとして苦言を呈すると、その考えを日本協会・松崎審判委員長にも通達。クリーンでスムーズな試合進行を指示した。

(須田雅弘)

★名良橋氏と対談、選手にも苦言

 川淵キャプテンは選手にも“注文”を出した。この日のラジオ収録のゲストで、昨季引退した元日本代表DF名良橋晃氏を「激しいタックルはするけど、審判に文句は言わない選手だった」と絶賛。逆に現役選手たちには「レフェリーに文句を言うことが多い。英国などではそんなに文句を言わない」と投げかけた。

■ゼロックス・スーパー杯VTR

 J2広島と対戦した鹿島だったが、前半12分には岩政が2枚目の警告を受けて退場するなど、家本主審の不可解な判定に苦しめられた。2−2からPK戦となったが、曽ケ端の2度の好セーブは無効に。試合後、審判団に詰め寄った曽ケ端、中後には警告、大岩は一発退場に。イエローカード11枚、レッドカード3枚が出る大荒れの展開だった。