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大毅 弱かった…亀田家初黒星

12回、内藤を抱えて投げる大毅=有明コロシアム

 WBC世界フライ級タイトルマッチ12回戦(11日・有明コロシアム)、“浪速の弁慶”初黒星!挑戦者・亀田大毅(18)=協栄=が、王者・内藤大助(33)=宮田=に0-3の大差判定で敗れた。最終12回にはレスリング行為で計3ポイントの減点を受け、最大10ポイント差がついての完敗。世界王座奪取の最年少記録(18歳9カ月10日)の更新を狙っての世界初挑戦だったが、夢は無残に散った。大毅は11戦目にして初の黒星となった。

 内藤は33歳1カ月12日で初防衛に成功し、日本人ジム所属選手の最年長世界王座防衛記録を塗り替えた。

 凍りついた表情が、厳しい現実を物語っていた。判定が下された大毅は、リング上で王者と視線すら合わせることなく、家族に支えられてリングを下りた。激戦を物語る乱れた金髪。18歳には過酷な状況の中で、守ってくれるのは家族だった。

 王者・内藤に試合後、「前王者のポンサクレックに比べて全然弱かった」と評されるほどの屈辱も味わった。最終12回、保っていた集中力が途切れた。クリンチでもみ合うなか、内藤をすくい投げのような格好で投げ飛ばした。

 レフェリーが割って入り、大毅に減点1を宣告。ヒートアップした大毅は再度、クリンチの際に内藤を抱え込み、バックドロップのようにそのままキャンバスにたたきつけた。これが故意の反則行為として減点2。1ラウンドで計3点を減点されてしまった。

 序盤、ガードを固め前進する亀田スタイルの大毅に対し、内藤は距離を取って応戦。KO狙いの大毅は内藤が入ってきたところに左フックを合わせにいった。だが老かいな内藤はガードの上からでもおかまいなしにパンチを放った。8回終了後の採点は6ポイント差が2人に、4ポイントが1人。勝利するにはKOしか手段はなかった。

 内藤のクリンチとバッティングに序盤からいらだちを隠せず、何度もレフェリーにアピールした。両者もみ合う展開で、9回には内藤がスリップ後の加撃で1点減点。互いにエキサイトし、試合は乱戦模様となった。

 3回には左フックで王者の右目の上を切り裂いた。試合前日の調印式では「負けたら切腹」を宣言し、まさに決死の覚悟で臨んだ一戦で「気概」は見せた。ただ王者の老かいなボクシングとキャリアの差を埋めることはできなかった。

 試合後は無言を貫いた大毅だったが、父・史郎氏(42)が心境を代弁した。「この悔しさをバネにまた頑張るしかない。大毅は一からの出直しや。明日からは次の興毅の試合に集中する」と傷心の二男を気遣いながら力強く再起を宣言。

 この夜、世界のベルトを手にすることはできなかった。まだ18歳。この悔しさを晴らすには、無限の可能性が宿るその豪腕で、世界をもぎ取るしかない。

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