第201号 平成19年 7月25日(水)


誤った内容の文書配布撤回を小林前会長に要請
撤回なき場合は会則第20条の適用を通知

 「つくる会」は、7月18日に開催された第107回理事会の決議に基づき、7月25日
付で小林正前会長に対し下記の通知書を発送しましたのでお知らせします。

 

 

                                              平成19年7月25日
小林 正 殿
                                         新しい歴史教科書をつくる会
                                         会長       藤岡信勝

理事会決議についての通知

 7月18日に開催された第107回理事会において、貴殿に関し、以下のことが決議されましたので通知します。
 貴殿は6月5日神奈川県支部緊急幹事会に前会長の立場で出席し、5月10日のつくる会第105回理事会及び5月30日の第106回理事会について報告し、その報告に基づいてまとめられた文書が6月18日付木上和高支部長代行から神奈川県支部の全会員に宛てて発信されました。貴殿はさらにその文書を、前会長の立場の文書に改訂して神奈川県外の会員宛に多数発信しておりますが、当該文書は明らかに誤った内容を書き、本会FAX通信に対する不当な批判を加え、本会の名誉を著しく傷つけ、本会の活動を混乱させています。詳細は別紙「小林正前会長発信7月吉日付文書における会則第20条に該当する問題点」の通りです。
 つきましては、上記文書を撤回していただくようここに要請します。この要請に応じて撤回される場合には、この要請に基づいて撤回する旨、文書にて7月31日までに回答してください。7月31日までにその旨回答をいただけない場合は、会則第20条に基づき、貴殿が前会長の立場を利用して本会の名誉を傷つけ本会の活動を混乱させたものとして、やむなく除名の処分を取らせていただくことになっておりますので、その旨通知します。
                                                       以上

 


〈付〉会則第20条 会員に、この会の活動を混乱させ、あるいは会員としての品位を欠く行為をなし、その他この会の会員としてふさわしくないと認められるものがある場合は、理事会の決議により、その会員を除名その他の処分に付すことができる。


小林正前会長発信7月吉日付文書における
会則第20条に該当する問題点

 小林正前会長発信7月吉日付文書には「疑問のある意思決定過程」と題して理事会について記述した箇所がありますが、その内容は明らかに誤っておりますので、その原文と問題点を説明します。

1.5月10日の緊急理事会についての小林前会長発信文書の記述(引用)
 【FAX通信第192号は、5月10日の緊急理事会の決定を受けて発行されたことになっていますが、この決定の経緯は不可解なものでした。
 緊急理事会の本来の目的は、4月26日の「つくる会」執行部(会長と副会長3名)と扶桑社との話し合いで、次期教科書発行について両者がほぼ合意し、新たなスタートラインに立つことが確認されたことを受けて、理事会に報告し今後の協力を要請するためのものでした。
 ところが、席上、藤岡副会長(当時)から突然「つくる会」の見解なるものを決議するように求める動議が出されました。決議は扶桑社の再考を求める体裁になっていますが、事実上の交渉打ち切りに等しいものです。この動議は賛成5・反対3・棄権1で可決されましたが、これをあらかじめ承知していたのは動議に賛成した5人の理事だけで、私を始め他の理事は誰も知りませんでした。しかも、この日欠席していた理事も多数いたのです。
 本来であれば、このような組織の命運を左右する決定を行うには、執行部会で事前に論議し、支部長や評議員の意見を聞き、理事にもあらかじめその論点を知らせた上で、理事会を招集し審議すべきものです。あらかじめ示し合わせて強引に決着を図るようなやり方が正当とは思えません。】

■上記引用部分の問題点
 本会は昨年11月21日に扶桑社宛てに「『新しい歴史教科書』『新しい公民教科書』の継続発行に関する申し入れ書」を提出し、つくる会と扶桑社の従来通りの関係を前提に継続発行するよう申し入れをしました。これに対し、扶桑社は本年2月26日に「前2回の枠組みは使えない」として絶縁を意味する回答をし、新たな方針を示してきました。
 4月26日、執行部(小林会長、高池・福地・藤岡の3副会長)が扶桑社を訪ねた目的は、扶桑社の意思を最終的に確認するためのもので、【次期教科書についてほぼ合意し、新たなスタートラインに立つことが確認された】という事実はありません。執行部会では副会長から扶桑社の回答に対する拒否の意思表明が再三にわたってなされており、そのために小林会長は理事会開催前に通例開催しなければならない執行部会を招集してきませんでした。
 文書には、また【突然「つくる会」の見解なるものを決議するように求める動議が出されました】とありますが、これは当日の理事会の議題に掲げられていた「次期教科書作成について」という議題の下、扶桑社の新たな提案を受け入れるか拒否するかのつくる会の最終意思を決定する審議の中で提案したものであり、動議ではありません。藤岡副会長が提案したのは拒否を内容とする提案であり、それを文書で提案したものにすぎず、議事進行上何ら問題はありません。
 文書には、また【これをあらかじめ承知していたのは動議に賛成した5人の理事だけで、私を始め他の理事は誰も知りませんでした】とありますが、小林氏がそれを知る機会となったはずの事前の執行部会の開催を拒否し続け、当日も開催しなかったのは小林会長自身です。決議の文書については、3人の副会長の間で確認した事実はなく、また賛成した5人の理事があらかじめ知っていたという事実もありません。それどころか審議の過程で文書を改善・修正する意見が出て、若干の変更が加わりその上で決議されたものです。

2.5月30日の理事会についての小林前会長発信文書の記述(引用)
 【会長を解任した5月30日の理事会も、それに先立つ評議会が扶桑社との関係について激論となり、とりまとめが不可能であったため、もっと慎重に多角的に意見を求める必要があるとして、私が理事会の延期を宣言し退席したにもかかわらず、それを無視して一部の理事が強引に決めたものです。規約では理事会の開催は会長の権限となっており、理事会も会長解任も規約を無視して行われたものです。】

■上記引用部分の問題点
 当日の評議会終了時に小林会長は突然、理事会の延期を宣言して退出しました。しかし理事会は会長によってすでに招集されており、例えば会場で火災が発生する等の緊急事態ならば格別、そうした合理的な理由もなく、会長の判断で一方的に理事会を延期することのできる規定は会則にはありません。もし当該議題の審議を延期する必要があると会長が判断した場合は、理事会をまず開催した上で、その議題のみ審議を延期することを諮って理事会の了解を得て行うべきものです。評議会においては熱心な審議によって大勢としては、5月10日の理事会決定をやむを得ないものとして容認する方向に向かっておりました。理事会において、会長が期待する決議が得られる見込みが立たないからといって理事会の開催そのものを会長が一方的に中止するようなやり方を認めれば、会長の期待する決議が行われる見込みが立つまで理事会が開かれないことになり、会は存亡にかかわる重大な損害を被ることになります。
 なお【一部の理事が強引に決めた】という箇所がありますが、当日小林会長に招集されて出席した理事で、小林会長の理事会延期の宣言に応じて退出した理事は1人もいませんでした。

3.小林前会長発信の文書には、その他明らかな誤りが多々ありますが省略します。

                                                     以上





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