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駒野 友一(サンフレッチェ広島)「自分を出す」

記者 A代表に初めて呼ばれたとき、かなりあわただしかったですね。
駒野 7月のJリーグの連戦が終わって、フィオレンティーナとの親善試合が終わば、リーグ再開までオフがある「はず」だったんですけど(笑)。突然代表に選ばれて、急いで準備して、向こう(韓国)には先に僕が着いていて、待っている状態だったんです。そのときが一番緊張しました。代表に同年代の選手が多かったので、まだ大丈夫だったんですけど、それでも固まってしまいしたね。
記者 そして、チャンスが来ました。
駒野 北朝鮮戦が終わった次の日、サブ組でセットプレーの練習をしたとき、坪井さんが「こんな練習サブ組でしたことない」と言っていて、みんなで「もしかしたら試合に出るのか」と話していたんです。出ると分かったときは、チャンスはこれで最後、くらいの気持ちだった。
記者 実際プレーしてみて、自分のプレーはできましたか。
駒野 試合にはそれほど緊張せずに入れました。中国戦の前半はいい形でやれたんですけど、後半運動量が減ってしまった。韓国戦も押し込まれた中でディフェンスに多くの時間をとられたので、もっと切り替えを早くして攻撃に絡まないといけなかった。ミスとかはなかったと思うんですが、自分の武器であるクロスをどれだけ出せたか、となると、物足りないですね。もっと上がっていかないといけないし、1対1も仕掛けていかないとダメ。攻撃時に高い位置でもらえるようにしないと。
記者 なかなかボールがこない場面もありました。まだ連係面ができていなかった。
駒野 時間がない、というのは言い訳。そういうときは声を出して要求する必要がある。試合の中で自分をもっと出さないといけない。そういった課題が見つかりました。
駒野 友一
記者 その後も代表に招集されたんですが、定着したという手応えはありますか。
駒野 三浦アツさんの代わりだったので、三浦アツさんが復帰したら自分はどうなるか分からないという立場だった。それだけに、その後も呼ばれ続けたことで、チャンスを待つという立場になれたのかもしれません。東アジア選手権である程度監督にアピールできたのかなと思います。それでも、まだ定着しているとは思っていません。
記者 ホンジュラス戦では海外組も呼んだ「ベストメンバー」の中で選ばれました。
駒野 ああいう人たちの中に入れることは、すごいいい刺激になりました。でも、緊張感がぶり返しましたけど。
記者 海外組の選手たちはどうでしたか。
駒野 実際一緒にプレーして、動きもやっぱり違うし、チームは別だったんですけど、あの人たちとやりたいという気持ち、レギュラーを狙おうという気持ちが出てきました。選ばれただけで満足しないようにしたいです。
記者 彼らと話したりしましたか。
駒野 あんまりしてないです。
記者 話しかけてくれてもいいのにね(笑)。誰と話しているんですか。
駒野 モニ(茂庭)が同じ年代なので、やっぱり彼と話すことが多いです。でもだいぶ周りの選手と話せるようになれました。
記者 ちなみに加地選手とは話しますか(笑)。
駒野 まあ、それなりに(笑)。
記者 実際ジーコも評価していますし、右サイドの候補者としての地位は確立されたと思いますが、それはやはり今シーズンのプレーが認められたからですよね。
駒野 そうですね。シーズンの始めのころは、自分でもいいプレーができていたと思うんですが、夏以降は、納得できるプレーがあまりできていない。まだまだプレーに波がある。
記者 この夏はスケジュールも厳しかったですからね。
駒野 ほとんど休めなかったし、家にも帰れませんでしたけど、それは代表の選手なら誰でもそうですし、そこをしっかり調整できるような人が、代表に選ばれる選手だと思う。自分も体のことをよく考え、いい調整法を身に付けないといけませんね。
記者 プレーの質というより、フィジカル。
駒野 夏以降、動けていない。運動量が減っているな、と思います。いまチームが大事なときなだけに、体調をしっかり戻して、迷惑をかけないようなプレーをしないと。これからは厳しいスケジュールはあまりないので、状態は上がってくると思います。
記者 広島の好調のバロメーターは、やはりディフェンですよね。いわゆるベタ引きするのではなく、前の選手も含めた全員の守備意識の高さ。
駒野 そうですね。いいときは前からどんどんボールを奪いに行ったり、相手を止めにいったりという形ができている。みんな意識が高く、それが失点の少なさに結びついています。ボールを取れるときに取るといった、攻撃的な守備を目指しています。
記者 両サイドを起点とする攻撃も、大きな特徴です。
駒野 監督からはサイドでは常に数的優位に立つように言われています。ボールを持った選手を孤立させないように、ほかの選手がフォローしたり、オーバーラップしてパスコースを作ったりすること。それが1試合のうちに何回もできれば、サイドを制することができるので。それをみんな意識していて、中盤の選手も近い位置に寄ってきてくれるので、プレーの選択肢が多くなっている。やりやすいですよ。コンビネーションがしっかりしていて。
記者 それを代表でも確立させたいですね。
駒野 そうですね(笑)。次にチャンスをもらえたら、普段チームでやっている良いところを、代表でも出せるようにしたい。でも、監督が違うとやり方も変わってくるので。動き方も違うし、周りの選手も違う。代表に行けば代表のサッカーに合わさないといけないし、チームに戻ればチームのサッカーをしないといけない。そのメリハリをつけることが大事です。ただそれをやりながらも、代表に行ったからといって自分を消してまで合わすのではなく、普段Jでやっている良いところを出せるようにしたい。上がるときは思いきって上がるとか。
記者 代表だと上がりにくいですか。
駒野 そんなことはないですよ。もちろんバランスは取れとは言われます。左サイドが上がれば、右はしぼるとか。それは広島でも同じ。あとは自分の問題。積極的に自分を出すことです。この間仙台で練習試合をやったときには、いわゆる国内組の、いままでやったことない大黒さんとか小笠原さんと一緒にやったんですけど、そこではいい感じでできたし、自分のスタイルも分かってもらえた。そうやってあまり一緒にやったことがない選手とプレーしても、やれるんだという手ごたえはつかめました。
記者 今後代表に選ばれ続ける上で。
駒野 とにかく代表もずっと選ばれると決まったわけじゃない。チームがあってこそ。ここで自分のプレーを出していくことが大切ですね。
記者 オフの過ごし方は?
駒野 街に出て買い物するか、家でのんびり過ごすかですね。
記者 趣味は?
駒野 ゴルフですね。やりたいんですけど、全然行っていないです。練習もしていない。行こうとしたら、予定が入ったり。シーズンオフになったらやり込みます。
記者 好きな食べ物は?
駒野 肉類。調理法は、何でもいいです。量は食べないですね。少食。すぐお腹が大きくなってしまうんですよ。奥さんの手料理ですか? 何でもおいしいです(笑)。
記者 嫌いな食べ物は?
駒野 梅干ですね。酸っぱいのがどうも苦手で…。和歌山出身なんですけどね(笑)。でも、紀州の梅はおいしいですよ。
記者 好きなテレビ番組は?
駒野 バラエティ番組ですね。「キスいや」とか。
記者 サッカーは見ますか?
駒野 結構見ます。どこを見るとか誰を見るとかいうより、対戦カードで見ています。スペインが見たいんですけど、WOWOWにまだ加入していない(笑)。
記者 見ていて対戦したい選手とかいますか?
駒野 あまりそういうふうに見てないですね。もし代表として戦うなら、選んだりできないじゃないですか。でも同じサイドの選手には、誰にも負けたくないですね。
記者 長所は?
駒野 ないです(笑)
記者 短所は?
駒野 静かなところ。人見知りするんですよ。チームでもあまりしゃべらない方です。しゃべるのはシゲ(茂原)。あいつはチームを変えました(笑)。
記者 関西出身なので、それなりにボケと突っ込みをしたりとか?
駒野 ないですね。関西弁が出ないですし。地元の友達としゃべっても、出なくなりました。頭に浮かんでこない。チームにも関西人はあまりいないですし。前田くらいかな。アイツは関西弁のままですけど。いまは広島弁かな…、いや、標準語です(笑)。
記者 仲のいい選手は?
駒野 同年代の選手ですね。他チームでは…、いまだとモニですかね。立場を共有しているので。アイツもよくしゃべりますね。助けてもらっています。彼を通して代表のほかの選手と話せるようになりました。
記者 憧れの選手は?
駒野 カズさんですね。最初僕もフォワードだったので。広島の選手では、久保さんですね。あの人はホント、すごかったです。代表でも一緒にプレーしたいですね。

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駒野 友一

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