お湯すてマッタ焼きそば開発秘話

 ではなぜお湯を切ることなくカップ焼きそばを食することが可能なのか?「麺をもどすのに適した最低限のお湯を注げば良いんです」単純かつ大胆な発想が「お湯捨て禁止」の具体的なメカニズムなのである。

 ただし、それを商品化するにはより多くの困難に立ち向かわなければならなかったそうだ。「一番の問題となったのは麺の吸水力と容器の形でした」カップ焼きそばを食べたことがある人ならご存知かと思うが、お湯きりに関しては3分なら3分といった適当な時間の後にお湯を捨てなければ決して美味しく食べることは出来ない。
普通のカップ焼きそばでも、ほうっておけば全てのお湯を吸いきってあたかも"お湯切り不要"であるような気がするが、通常のカップ焼きそばの場合お湯を捨てる前提で作られている為、全てを吸いきった頃にはそばがのびてふやけてしまい、お世辞にも美味しいカップ焼きそばとは言えないものに変化してしまっている。
また、お湯を吸いきるのに5分も6分もかかっているようでは結局通常のカップ焼きそばの方が待ち時間が短い分だけ消費者にとっては便利といえよう。よって「麺をのびさせない」ことと「通常のカップ焼きそばに負けない待ち時間」を兼ね揃えた吸水性の高さが必要不可欠な条件であったのだ。

また、初めて購入した消費者でも問題なく適当なお湯を注ぐことができ、全体的に麺を万遍なくもどすことが可能な斬新なカップ容器の形状も乗り越えなければならない問題点の一つであった。
これについては何度もカップを試作検討し、その度に失敗を重ねてきたそうである。「スーパーでのテスト販売時に、担当者がお湯を注ぎすぎてお客さんの前でお湯が残ってしまうこともあった」という笑えないエピソードもあったそうで、「お湯捨て禁止」にあたっての開発者の皆さんの苦労が伺える。

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