お湯すてマッタ焼きそば開発秘話

 今から10年以上も前の1987年、まだ「お湯捨て禁止」がこの世に生まれていない頃、カップ焼きそば市場は泣く子も黙る某N社の大ヒット商品「●FO」と、通好みの味で人気の高い某P社のロングセラー商品「●ヤング ソース焼きそば(まろやか〜ん♪)」の2商品が席巻していた。
 他カップ麺メーカーがカップ焼きそばというカテゴリーにおいて勝利を手にするためには、これら絶大なシェアを誇る2商品に負けない斬新なアイデアと味覚を揃えたスーパー商品を生み出す必要があったという。

 柚木氏は新商品開発の第一歩として、まず当時のカップ焼きそばに対する消費者の意見を集めるための市場調査を行なったのだそうだ。「カップ焼きそばはお湯きりが面倒、という意見が圧倒的でしたね」と語る。
確かにカップ焼きそばはカップラーメンと違い、はやく食べたい!という気持ちを押さえ切れない「熱湯注いで3分間」の後、更に「お湯捨て」というもう1アクションを行なわなければならないものである。
 「なにをそんな大袈裟に」という意見もあるだろうが、カップ麺ユーザーの大多数が「ものぐさ(失礼!)」であることを考えると、食べたい!という衝動にかられながらも更にどっこいしょと重い腰をあげて流しまでお湯を捨てに行かなければならないのはかなり大きな問題であるといえる。
 またそこがカップ焼きそばのWeak Pointとして指摘されてしまうのは当然といえよう。しかし、この問題はカップ焼きそばにとっては越えようにも越えられない大きな壁として認知されていたため、ユーザーにとっても開発者にとっても眼をそらさざるを得ない状況にあったといえよう。
 だが、そこに敢えて挑戦を挑んだのが「お湯捨て禁止」誕生の第一歩だったのである。

▼第2章へ▼
第2章へ

[ラーメン天国トップへ]


COPYRIGHT(C)1999, Food's Foo 推進機構 All rights reserved