試乗レポート |
レポート:曽宮岳大
写真:本池邦雄
取材協力:シトロエン・ジャポン
試乗ステージ:富士スピードウェイ
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【C4 2.0 VTS(2ドア) スペック】
全長×全幅×全高=4275×1775×1480mm、ホイールベース=2610mm、車重=1330kg、駆動方式=FF、エンジン=2リッター・直4DOHC(180ps/7000rpm、21.0kg-m/4750rpm)、トランスミッション=5速MT、価格=319万円 |
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シトロエンの歴史に名を刻んだ名車2CV。国民(主に農民や労働者)のために作られたこのモデルは、シルクハットを被ったまま乗車できる空間を持ち、“カゴ一杯に卵を載せて荒れ地を走っても、ひとつも割れない”乗り心地が追求されていた。
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2CVと同様、シトロエンの傑作として数えられるのがDS。独自の油圧スプリング“ハイドロニューマチック”を搭載していたことで有名。その“癒される乗り心地”には、未だにファンが多い。
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2004年9月のパリサロンで、クサラの後継車種としてデビューしたC4シリーズには、ボディ形状の異なるセダン(4ドア)とクーペ(2ドア)の2モデルがラインアップされる。
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ヒップで見分ける2種類の「C4」
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新しいシトロエン・C4は、VWに当てはめるとゴルフ、BMWなら1シリーズ、オペルではアストラという具合に自動車メーカーにとって最量販車種にあたる重要モデルなのに、我々一般人のストライクゾーンをわざと外したかのように見える超個性的なデザインで登場した。…ということは逆に言うと、シトロエンが“シトロエンらしさ”を取り戻してきた証拠なのかもしれない。
古くはシトロエン・2CV(ドューシーヴォー)やDS、最近の作品ではちょっと毛色は違うけれどエグザンティアといったモデルは、シトロエンファンならずとも一度見れば記憶に残るインパクトがあったし、街で見かけると思わず見入ってしまうオーラのようなものを感じずにはいられなかった。それが最近のシトロエンは、没個性的というかダブルシェブロンのエンブレムが無ければパッと見で区別が付きづらいモデルもあって、「シトロエンも変わっちゃたのかなぁ」と思っていたのだが、そんなことはなかったのだ。
このまるで怪人20面相のようなフロントマスクには、後ろ半分が異なる2種類のボディが組み合わされる。ひとつは丸尻の4ドアセダン、もうひとつは角尻の2ドアクーペで、後の方から見ると、ものの見事に別のクルマに見える。しかしそのどちらにも、たっぷりとした座り心地のよいシートを与え、後席には最低17cmのニールームを確保することで、前席を目一杯後ろに下げた状態でも乗員の足元スペースがちゃんと残されるあたりは、車内にいる時の“くつろぎ感”を大切にするシトロエンらしいところだ。
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