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ベネマン農務長官がBSEに対する追加の防御対策を発表

2003年12月30日

ワシントン

 アン・M・ベネマン農務長官は本日、牛海綿状脳症(BSE)に対する米国の防御システムを支え、公衆衛生の保護をさらに高めるための追加の防御手段を発表した。

 「10年以上にわたり米国はBSEに対する積極的な監視、検出、対応プログラムを施行してきた。米国には公衆衛生を保護するために必要な防護手段やファイアウォール(侵入阻止策)があると自信を持っているが、これらの追加措置によって、われわれの保護システムがさらに強化される。」とべネマン長官は述べた。

 ベネマン長官は、本日発表された政策は、何ヶ月にもわたり、特に2003年5月のカナダでのBSEの発生以来、検討されてきたものであると述べた。この政策により、特定の動物や、特定危険部位や組織が人間の食料供給から排除される。先進的食肉回収システム(Advanced Meat Recovery, AMR)を使用している施設では、BSE検査がされている牛からの食肉については、検査が陰性であると確認されるまで留め置き、また、牛の圧搾空気注入を禁止する。

 米国の多くの牛は、種々のシステムによって特定することができるが、米国農務省が検証可能な全国的動物特定システムを直ちに実施することも、長官は発表した。このようなシステムは、全国的なシステムとしての統一性、一貫性、有効性について、1年半以上にわたり確立されてきた。

 「米国農務省は過去1年半の間に、連邦、州レベル、そして、業界の関係者との間で、多くの異なる動物種における疾病の発生に迅速かつ正確な対応をさらに高めるための、検証可能な全国的動物特定システムに関する基準を採択するために協力をしてきた。」とベネマン長官は述べた。さらに「米国農務省の首席情報官に対して、このシステムを実施するための技術的構成の開発を最優先課題として加速するように要請した。」

 「これらは、米国農務省がその保護システムを強化するための第一歩である。われわれの対応措置を客観的に検討し、さらに強化することが可能な分野を明示してもらうために、科学的専門家による国際的な委員会を指名している。」と述べた。

 具体的には、米国農務省は以下の措置を実施する。

 歩行困難動物(Downer Animals) 直ちに、米国農務省はすべての歩行困難牛の人間の食料としての供給を禁止する。米国農務省はBSE監視プログラムを継続する。

 製品留置 米国農務省・食品安全検査局(FSIS)は今後、BSEの検査を受けた動物について、検査結果が実際に陰性であったことが判明するまで「検査済・合格(inspected and passed)」の証印をしない。この新たな政策は解釈上の規則(interpretive rule)として連邦公報に掲載される。

 食品として不適切な食肉や食肉加工製品が市場に入ることを防ぐために、FSISの検査プログラム担当官はと畜前、と畜後の検査を米国でと畜される牛について行っている。と畜前検査の一環として、FSISの担当官は中枢神経系の損傷を含む疾病の兆候を探す。神経系の損傷の兆候を含む、全身的な疾病の兆候が見られる動物は殺処分される。殺処分されたすべての動物の肉は人間の食料への使用を許可されたことはまったくない。

 特定危険部位 連邦公報に掲載後直ちに、米国農務省は30ヶ月齢以上の牛の頭蓋骨、脳、三叉神経節、眼球、脊柱、脊髄、脊髄後根神経節、ならびに、すべての月齢の牛の小腸を特定危険部位として表明し、これによって、それらの人間の食料供給への使用を禁止することによる規制強化を行う。すべての牛の扁桃は、すでに非食用であるとみなされており、食料供給へ入ることはない。これらの強化は、カナダで5月にBSEが発見された後でとられた措置と一致している。

 暫定最終規則の中で、FSISは、牛をと畜する連邦検査を受ける施設に対して、これらの特定危険部位を除去、分離、廃棄する手順を開発、実施、維持することによって、それらが食料供給に入らないようにすることを要求付けることになる。さらに施設は、その情報をFSISの検査官による確認のために常に用意されていなくてはならない。FSISは公式な施設でと畜された牛のおおよその月齢を確かめる手順も開発している。州によって検査されている施設も、同等の手順を導入していなくてはならない。

 先進的食肉回収システム(Advanced Meat Recovery, AMR) AMRとは、高圧によって枝肉から筋肉組織を取り出す産業技術であり、正しく使用されれば骨が混入する事はない。AMRの製品は"食肉"として表示できる。FSISは以前から脊髄を含む製品を"食肉"として表示する事を禁止する規制を取っている。今回連邦広報に公表され次第、脊髄に加えて、脊髄後根神経節、脊柱に沿った脊髄に付随している神経細胞組織塊も、この規制により禁止される。脊髄と同様に脊髄後根神経節も、感染している動物であればBSEの感染源となりうる。さらに30ヶ月齢以上の牛の脊柱と頭蓋骨は食用に適さないとしてAMRの使用が禁止される。

 2003年3月、FSISは脊髄組織の混入が無い事を確かめるため、AMRシステムによって生産された牛肉に対する経常的な規制サンプル調査プログラムを開始した。本日発表された新しい暫定最終規則では、検証検査を通じて、処理施設は脊髄及び脊髄後根神経節が製品に混入していない事を確実にする製品管理を行わなくてはならない。

 圧搾空気注入 と畜の際苦痛を与えないで牛を気絶させるための圧搾空気注入の結果、脳組織の一部が枝肉組織に混入する事がないように、FSISは圧搾空気注入の慣例を禁止する規則を発行する。

 機械式食肉除去法 米国農務省は人間の食料に機械式食肉除去法の使用を禁止する。

 12月23日、ベネマン農務長官は、ワシントン州の1頭の牛がBSE陽性である旨を報告した。カナダのアルバータであると信じられている、当該の動物の出生群まで追跡する迅速かつ総合的な調査が進行中である。また米国に入ったその他の動物についても追跡調査中である。(最新情報についてはwww.usd.govを参照の事。)

 10 年以上にわたり、米国はBSEに対する積極的な監視、検出、対応プログラムを施行してきた。米国では、過去2年間に、国際基準が推奨する数の47倍にあたる年間20,000頭以上の牛に対してBSE検査を行ってきた。

 1989年以来、米国農務省は英国や他のBSE発生国からの、生体反芻動物と、ほとんどの反芻動物由来製品の輸入を禁止してきた。

 1997年には、FDAが、米国にこの疾病が存在すると仮定した際にその拡散の主要な過程となる哺乳動物由来のたんぱく質のほとんどについて、牛やほかの反芻動物用の飼料製造への使用を禁止した。

 2001年、そして、さらに2003年にハーバードで独立に行われた分析からは、BSEの米国での拡散のリスクは低く、どのような拡散の可能性も、すでに導入されている制御によって封じ込めることができるであろうということが示されている。

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