ホーム>政治 2002.09.19(木) 18:06


米国が発表した「統一韓国の青写真」

 米国の戦略国際問題研究所(CSIS)は19日、「統一韓国に対する米政策の青写真」という題目の報告書を発表した。CSISはこの1年間、韓国と米国の韓半島専門家で研究グループを構成、多様な統一シナリオを土台に統一韓国の姿を分析し、これに対する米政策のあり方を研究した。  
 
 同報告書は「統一韓国は米国または中国のいずれに戦略的に偏っているとの感じを避けようとするはず」としながら、「韓国で拡大中の反米感情は統一後、米国の対韓半島利益における最大の脅威の一つ」と分析した。以下は主な内容の要約。  
 
▲統一韓国の姿=統一は平和的統合、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の崩壊、戦争といった3つの方式による実現が予想されるが、いかなる場合も韓国主導で進められるはずだ。家庭、宗教、教育、経済、政府などあらゆる部門で北朝鮮の既存体制に対する構造調整が最大の課題になる。米国の利害関係は韓半島が安定かつ非核化し、自由民主主義と自由市場経済が築かれることを望む点から、統一韓国の利害と一致するだろう。  
 
▲統一韓国の戦略=統一韓国は米国との同盟、東アジア地域での中立、多国間安保体制への参加、中国など特定アジア諸国との緊密なパートナシップ関係の構築といった4つの代案で国家安保を構築できる。だが、米国との同盟維持を通じた本質的な利害関係の確保を図ろうとするものと思われる。  
 
 韓国のマスコミと左派は中国の国力増強と文化、戦略的理由から、中国に歩み寄ろうという雰囲気を造成する可能性もあるが、韓国の安保を中国の不透明な未来に頼るのは危険だ。したがって、米国との同盟関係を維持し、予防線を張ろうとするだろう。  
 
▲米国の統一韓国に対する政策建議=米国は韓米同盟を東アジア地域の平和と安定維持に焦点を当てるために、相互防衛条約の適用範囲を拡大すべきだ。米国はまた、東アジア地域内のミサイル防御網に統一韓国が加盟するよう呼びかけるべきで、また東アジア地域の軍備競争を予防するために統一韓国と日本に核の傘を提供する必要がある。 
 
 米国は統一韓国の政治・経済の立て直しに向けた取り組みを後押しするために、大量の物資を支援すべきだ。米国は韓半島の統一後、北東アジア諸国間の小規模な多国間対話の発展をリードすべきだ。  
 
▲在韓米軍の将来=米軍は今後も韓半島に駐屯すべきだが、東アジア地域の安保と韓国人の感受性に合うよう、在韓米軍の構造を適切に編み直すことが必要だ。このためには韓国政府当局との緊密な協議が欠かせない。在韓米軍の構造は統一過程の進行に合わせ、柔軟に構造を変えるための準備が不可欠だ。  
 
 統一後、全般的な米国戦力は東アジア地域内の情勢に迅速に対処できるよう、軽量化かつ機動性の高い構造に組み立てられるべきだ。統一が実現すれば、国連司令部は存在理由を失うため解体されるべきで、韓米連合司令部は企画本部に縮小されるか、または米日間の並立型同盟の指揮構造が優先視される場合は、完全に閉鎖される可能性もある。  
 
ワシントン=朱庸中(チュ・ヨンジュン)特派員