「粛々とミレニアム」。思えば、１０月の定例会見で海老沢勝二会長が漏らしたひと言が、出場者の顔ぶれを暗示していたか。スタッフの苦労はしのばれるが、いわゆる「大物」の名前はなく、会見でも「地味…」の声が出たほど。スタッフの口ぶりも当初の意気込みからはトーンダウンだ。
そもそも今回の選考は、（１）今年の活躍（２）世論の支持（３）番組の企画との合致−という３つの条件を勘案して行われた。難航した理由について、天海修一プロデューサーは「出場歌手を増やすこととなったこと、（迂回融資疑惑報道があった）石川さゆりさんのことの両方だった」と説明した。
石川については、スタッフが本人から事情を聴き、問題なしとの結論に。一方で“大物”歌手らへの交渉も最後まで行われていたが結局、今年のＭＶＰ・宇多田の出演が実らなかったことで、（１）（２）の条件の意義が薄くなり、（３）の要素が色濃く映し出される結果に。
５０回の歴史を振り返る今回の番組企画から、白組でかぐや姫、加山雄三、ゴダイゴ、ソン・フィルトル（井上順を除くスパイダース）、三波春夫ら。紅組には八代亜紀、そして松田聖子にも白羽の矢が。
一時はテレビ界から締め出され、最近ようやく業界復帰した聖子について、同プロデューサーは「彼女はテレビの人。今年歌も出している」と評価。しかし、本番では新曲でなく、「青い珊瑚礁」など往年のヒット曲を口ずさむ公算が大きく、すっかり“過去の人”の気配も。せめて、ともに離婚という辛酸をナメた郷ひろみとのツーショット期待で数字を…の目算か。
こうした状況に、ＮＨＫの島田源領・芸能番組部長は、「視聴率は内容次第と思っている」と“出し物”に期待。有名スポーツ選手ら伝説のヒーロー企画、全員で合唱する「ソング・フォー・チルドレン」などが予定されているとか。
しかし、ミレニアムは紅白ばかりではない。民放各局も例年以上の強力な２０００年カウントダウン番組を編成。フジテレビ系にＫｉｎＫｉ Ｋｉｄｓらの出演、日本テレビ系が人気番組「電波少年」、テレビ朝日が大黒摩季の出演などだ。ＮＨＫ、危うし！？
アミーゴ、紅白初見参！ 人気歌手、鈴木あみ（１７）＝同右＝が大の仲良しの浜崎あゆみ（２１）とそろって紅白初出場を決めた。
真っ赤なドレス姿のあみは、「（デビューしたての）去年なら大変だった。今年は落ち着いてマイペースでいこうと思います」と笑顔の中に自信もチラリ。初アルバム２５０万枚と大物ぶりを見せてきただけに、余裕の表情だった。
この日、純白のロングコート姿の浜崎と、女子高生のカリスマ同士のツーショットが実現。「あみちゃんは若くてかわいい」といわれると、「あゆちゃんってかわいい」と返しながら、頬にほんのり紅の色…。
★海老沢会長、目標視聴率は５０％？★
「紅白」の出場者発表から一夜明けた２日、ＮＨＫの海老沢勝二会長の定例会見が行われ、「宇多田ヒカルさんが出てくれなかったということはあったが、現場ができるだけのことをした結果だから了承した」と出場メンバーの感想を語った。
また、会長は出場者全員による合唱ソング「ソング・フォー・チルドレン」の作曲を米国の歌手、スティービー・ワンダーに昨日依頼し快諾を得たことや、プロ野球の西武・松坂大輔投手がゲスト出演することも明らかにした。
さらに、注目の視聴率については、「今年は５０回だから、５０％以上いけばいいのではないか」と控えめに（？）語っていた。
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