ヴェルディ川崎の東京移転が今月中にも決まる―。15日、坂田信久社長(58)が記
者会見で、「今月中に結論を出す」と検討している事実を認めた。2001年に東京スタ
ジアムが完成する東京都調布市をホームタウンにする。ヴェルディは9月から再建に向け
たプロジェクトチームを作り、クラブの方向性を検討している。その中で移転に向けての
シミュレーションを実施している。
再建へ向けて動き必要 坂田社長「チームつぶすつもりない」
移転の理由は、1993年に一度撤回したが、ヴェルディは東京移転の希望を持ってい
たこと、さらに川崎市をホームとするJ2の川崎フロンターレが、来季からのJ1昇格を
確実にしたこと。さらに、ヴェルディの等々力競技場での観客動員数が第2ステージで1
試合平均6000人台に落ち込んでいることなどが挙げられる。来季はフロンターレとの
観客の奪い合いが必至だ。「再建に向けて何かしなければいけないとスタッフが一丸とな
って動いている。移転はそのひとつの案ではあるが、まだ決定したわけではない」と坂田
社長は再建策のひとつとして検討していることを認めた。
移転の手続きとしては川崎市、市サッカー協会、神奈川県サッカー協会、受け入れ先の
調布市などの承認が必要になる。それ以後、Jリーグ理事会に申請し承認を受ければ、移
転は可能になる。申請は移転の1年前までに完了しなくてはいけない。
今回の一番の目的は経営の再建。「東京にいけば改善できるとは限らない。だがチーム
をつぶすつもりはない」と訴えた坂田社長はこの日、Jリーグ事務局で木之本興三専務理
事に移転構想などを説明した。
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◆リーグ側は柔軟姿勢
Jリーグの木之本興三専務理事は、「地元協会、川崎市、サポーターが納得した上で、
どうしてもということであれば理事会に諮る」と話し、ヴェルディの東京移転に、Jリー
グとして柔軟に対応する考えを示した。規約では、ホームタウンの変更には、1年以上前
に申請し、理事会で承認を得なければならない。同専務理事はこのため、「2001年の
(本拠地)移転ということならば、来年2月の理事会までが期限」と話した。
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◇Jリーグ規約
▽本拠移転 第21条2項「Jクラブのホームタウンは、原則として変更するこ
とができない」とされている。しかし、同条3項には「やむを得ない事由により、ホーム
タウンを変更する必要が生じた場合には、変更の日の1年以上前までに理由を記載した書
面により理事会に申請し、その承認を得なければならない。ただし、第54条に定める開
催期間(毎年3〜11月)の途中における申請は認められないものとする」
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