市川市動植物園20年の足跡

 

. あの盗難事件を振り返る
20年の歴史を振り返った時、忘れられない出来事の一つが、あの盗難事件です。

2003年6月20日夜間、侵入者によってレッサーパンダの天天とワタボウシパンシェのサンタが盗み出されました。

動物園から動物が盗まれるとは…。

動物園は「善意」の場といっていいと思います。
家族連れで、遠足で、仲のよいカップル同士が、写真を撮りに、絵を描きに。
そういう人たちが楽しそうに行きかう中に動物を盗んでやろうという人が紛れ込んでいたとは(犯人は、犯行前に下見をしていた)。

動物たちは10月22日、無事に戻ってきました。

特に「天天」は「真真」&「誠誠」→「鈴鈴」と、当園にとって直系のパンダ。
その後、「リンタ」、「ライチ」の父親になったことを考えると、戻ってきて本当によかったと思います。

いなくなった4ヶ月間、どこで何をしているのか、思い出さない日はありませんでした。

「天天」は秋田県の個人宅で飼われていました。
状況を考えた時、よく無事だったと思います。

あの事件以後、動植物園のセキュリティーは強化されました。

しかし、番組の企画で、「家で野生動物を飼育する」というのを見る度に我々スタッフはあの事件を思い出して、眉をしかめるのでした。

帰って来たばかりの天天(2003.10.23撮影)

市川市動植物園の歴史を語る上で忘れたくても忘れられない出来事です。

 

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