27日、神奈川県横浜市内で、不審車両の追跡を行っていたパトカーが運転を誤って電柱に激突する事故が起きた。徒歩で逃走していた男は警官に取り押さえられ、道路運送車両法違反の現行犯で逮捕されている。
神奈川県警・加賀町署によると、事件が起きたのは27日の午後9時55分ごろ。同署・地域課のパトカーが横浜市中区末吉町4丁目付近をパトロールしていたところ、偽造したとみられるナンバープレートを装着した不審な乗用車を発見。マイクを使い、停止するように呼びかけた。
しかし、クルマはこれを無視して逃走。パトカーは赤色灯とサイレンを使用し、ただちに追跡を開始したが、逃げるクルマは前方で信号待ちをしていた車列に追突。身動きが取れなくなった。
運転していた男はクルマを捨てて徒歩で逃走。パトカーはそのままこれを追跡したが、路地に逃げ込んだ男を追おうと急ハンドルを切った際にコントロールを失い、道路右側の電柱に激突、車体を大破させた。
事故を目撃した通行人が男の行く手を阻もうとしたが、男は通行人を殴るなどして揉み合いとなった。男は軽傷を負いつつも、走って追いかけてきた警官に取り押さえられ、道路運送車両法違反(偽造プレート使用)の現行犯で逮捕されている。
逮捕されたのは21歳の暴力団員の男で、乗っていたクルマは盗難車。その後の調べで車内からは覚せい剤とみられる粉末の入った袋も発見されており、警察では麻薬取締法違反容疑でも調べを進める方針だ。
なお、今回の追跡について、警察では「事故を起こしたことは遺憾だが、追跡行為自体に問題はなかった」とコメントしている。