シャープ、本社を堺に移転 鴻海協業の象徴の地で再出発へ
台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下入りが決まっているシャープは1日、本社を大阪市阿倍野区から堺工場(堺市)内に移転した。シャープと鴻海が共同運営する液晶生産会社「堺ディスプレイプロダクト」(堺市、SDP)の隣接地。鴻海との協業を象徴する地で再出発を目指す。
堺工場にある3階建ての事務棟の1、2階部分に移った。旧本社ではこれまでグループで約1800人の社員が働いていた。8月中旬までに、経営企画や総務など本社部門の社員400人程度が新本社に移る。営業部門など残りの社員は他の事業所などに移動する。
堺工場は堺市の埋め立て地にあり、社員らは最寄りの駅などから路線バスで出勤した。表情は硬く、言葉少な。男性社員(55)は「新たな気持ちで頑張りたい」と気を引き締めていた。