バスがすれ違う際に運転手が手をあげて挨拶する…実は危険行為としてやめるべきとされていますが、今なお一部では続けられていることが分かりました。

東京都が運営する都営バス。自身もかつては運転手だったという職員が話すのは、バスがすれ違う際における運転手同士の“挨拶”について。

東京都 交通局 野崎雅人 課長
「こんな感じで挨拶してました。後ろは混んでたよみたいな話を相手にジェスチャーで教えた」

都営バスでは20年ほど前から、この“挨拶”を禁止しています。

東京都 交通局 野崎雅人 課長
「やはり、その間はよそ見をしているといった形になりますので、前方を見ているときから右に視線がそれれば、前方不注視という形になりますし、脇を見るということによってヒヤリとするようなことがある」

運転手同士の挨拶をめぐっては、2003年に都内で、運転手が挨拶を交わした際に前方不注意で歩行者をはね、死亡させる事故が発生。

日本バス協会は事故に繋がる“危険行為”として、全国の事業者に対しこうした行為を行わせないよう周知しました。しかし、各地では…

男子大学生
「(バスが)すれ違う時に手をあげたり、クラクションを鳴らしたりとかある」
福岡在住 40代母親
「1週間前にも見ましたし、バスに乗るたびに見ます。お互いのことを気遣って、挨拶の代わりにしてるのかなと」

国の要請を受けた調査委員会が去年から今年にかけ、全国24のバス事業者に“覆面調査”を行ったところ、今なお「挙手」や「会釈」などの挨拶を行っていた運転手は半数近くに上りました。

この結果について、調査を行った専門家は…

事業用自動車事故調査委員会 酒井一博 委員長
「お互い『ご苦労さん』という非常に気軽なコミュニケーションだと考えるが、まだまだ安全に対する盲点がいくつかあるんじゃないか。この問題に特化して、もう一度、周知の為の教育やっていただきたい」