去る8月29日、大阪府立体育会館で行われたお笑いコンビ・バッファロー吾郎(木村明浩・竹若元博)主催の大喜利格闘技イベント『ダイナマイト関西2008~オープントーナメント大会』決勝大会の模様が、朝日放送にて10月17日(金)25:29~26:59、18日(土)25:30~27:00、2夜連続で放送される(※関西ローカル)。待望のテレビオンエアを前に、観戦リポートで大会の見どころをお伝えする。

『ダイナマイト関西』を主催するバッファロー吾郎(木村明浩・竹若元博)

バッファロー吾郎はコント師としてのキャリアを積む一方、さまざまなお笑いイベントのプロデュースに精力的に取り組んできた。その中でも'99年に立ち上げた『ダイナマイト関西』は、今や数千人の観客を動員するビッグイベント。1対1の大喜利ガチンコ対決によるトーナメント戦で"一番おもろいやつ"を決めるというシンプルなルールの下、笑いの精鋭たちが繰り広げるハイレベルな戦いは、お笑いファンのみならず芸人たちからも熱い注目を浴びている。

大喜利の猛者12名が集結!

前回の2006年から2年ぶりとなる今大会は、芸人はもちろんお笑い以外のジャンルの著名人、一般からも広く出場者を募るオープントーナメント方式で行われ、大会史上最多の1339名が参戦。厳しい予選を勝ち抜いた、平成ノブシコブシ・吉村崇、ケンドーコバヤシ、中山功太、ラバーガール・大水洋介、東京ダイナマイト・ハチミツ二郎、モンスターエンジン・西森洋一、漫画家の和田ラヂヲ、ジャルジャル・後藤淳平、サバンナ・高橋茂雄、一般参加のレオちゃん、キングオブコメディ・高橋健一、笑い飯・西田幸治(以上、予選通過順)の12名が決勝の舞台に顔を揃えた。

さて、大会の"インタレスティングプロデューサー(※おもしろプロデューサーの意)"こと木村によれば、『ダイナマイト関西』とはイベントではなく、「野球、サッカー、ボクシングなどと同じ、史上初のお笑いと格闘技を融合させたダイナマイト関西という"競技"」だという。そんなわけで、格闘技のタイトルマッチを大マジメになぞるセレモニーから始まった決勝大会。場内アナウンスが興奮を煽る"選手"入場、前大会優勝者の笑い飯・西田による"チャンピオンベルト"の返還に続き、ここまでやるかともはや感心させられる国歌斉唱にはなんと藤井隆がシンガーとして登場。おごそかに『君が代』を歌い上げ、始球式ならぬ"始答式"では、出されたお題に女性ダンサーを従えたハイテンションな歌とダンスで答える弾けっぷりで会場を沸かせた。

西田はチャンピオンベルトをなんと紙袋で持参

サプライズゲストの藤井隆がステージで弾ける

漫画家・和田ラヂヲが奮闘

こうして賑々しく幕を開けた大喜利トーナメント。歴代チャンピオンに名を連ねるコバヤシ、西田の強豪を脅かす、新しいパワーの台頭に期待が集まった。破天荒な"俺芸"でアグレッシブに攻める吉村、鋭い一答を淡々と繰り出すキングオブコメディ高橋、まるで友だちを笑わせることに夢中になる中学生のように楽しげな戦いぶりから、木村に「(学校の)休み時間」という称号を与えられた西森など決勝初出場の芸人たちの激闘もさることながら、大喜利の力は未知数だったレオちゃん、和田の活躍は強い印象を残した。ある大物演歌歌手と同じ芸能事務所に所属しているというレオちゃんは、笑いの中に不思議な哀愁をにじませた"演歌的"とも言える解答でうならせる。一方、和田はすべての答えがイラスト。独特のシュールな画風で爆笑をとり、人気ギャグ漫画家の恐るべき底力を見せた。

凄まじいまでの大喜利力を見せつけた和田

そして激戦の末、決勝に駒を進めたのは、王者のプライドを守ったコバヤシと西田。どちらも大会常連組だが、直接対決は意外にもこれが初めてという。そんな大会の歴史に残るであろう頂上決戦は、実況席に座っていたバッファロー吾郎が「2人とも完全に弾け飛んでる」(木村)、「次のステージに行ってますね」(竹若)と思わずもらす超絶解答も飛び出すほどの死闘となった。

場内にどよめきが走ったコバヤシvs.西田の頂上対決

公演はたっぷり5時間。イベントとしては異例の長さだが、バトルの緊張感とその中で爆発する笑い、プレッシャーと戦う出場者が繰り出す"神がかり"としか言いようのない爆笑解答などを堪能しているうちに、アッという間に時間が過ぎてしまったという印象。木村は『ダイナマイト関西』の次なる目標を「大晦日に紅白の裏番組として、さいたまスーパーアリーナから中継したい」と語っていたが、ぜひとも実現させて欲しいと思わせた充実の大会だった。

感動のエンディング。熱戦に感激しきりの木村Pがほほえましい