■『E=MC2』(マライア・キャリー)
DATA:2008年4月16日、UNIVERSAL INTERNATIONAL(P)(M)より発売。
<オススメ度:★★☆☆☆>

ミディアムなしっとり系とバラードが多いアルバムです。全体的に楽曲のインパクトが足りないというのが正直な感想。マライアの歌唱力は勿論最高なのですが、似たような曲が続くので後半はなんだか眠くなってしまいました。ある意味、寝る前に聴くには最適かもしれませんが、意識が覚醒している時に聴くには退屈かも。

個人的に唯一良かったのがディスコティックな(06)「アイム・ザット・チック」。こういうわかりやすい曲があと3曲くらい入ってたら、大分違ったと思います。シングルにもなった(01)「タッチ・マイ・ボディ」は、いい曲ではあるんですが、いかにもマライアな曲でしかないので、新鮮味に欠けました。残念ながら、前作の『The Emancipation Of Mimi』の出来には遠く及ばないというのが現実かと(前作は名盤です)。
:実は『GAME』と同日発売だった、マライアの『E=MC2』。前作のファンキーな要素がなくなってしまって、期待していたオイラ涙目。マライアという素材を生かしきらない凡作となってしまいました。



■『DISCIPLINE』(ジャネット)※ジャネット・ジャクソン改め。
DATA:2008年2月27日、UNIVERSAL INTERNATIONAL(P)(M)より発売。
<オススメ度:★★★☆☆>

ジャネット渾身のアルバムみたいなんですが、似たようなコンセプトの曲が多くて自分にはピンと来ませんでした。超一流のスタッフを集結させて録音されただけあって、確かにクールさみたいなものは感じたんですが、冒険心が足りなかったように思います。大物アーティスト"ジャネット"のイメージが、各スタッフ間であまりにも似通い過ぎていたのがマイナスに働いたのかも?

大ヒットシングル(02)「フィードバック」は、今っぽくはあるんですが、10年経ったら忘れ去られそうな気がしました。ただ、中にはいい曲もあったので、ジャネットのファンなら買ってよいかと。オススメは(03)「ラヴ」、(07)「ロック・ウィズ・ユー」、(08)「2ナイト」あたりでしょうか。アルバム表題曲(20)「DISCIPLINE」は、スロウでエロスな曲というだけでイマイチでした。
なんだか写真が怖いジャネットさん。レーベル移籍第一弾ということで、気合いは入ってたみたいです。付属のDVDはドキュメンタリータッチで結構面白かったのですが、アルバムの出来はいまひとつ。


■海外進出も期待したい
とりあえず、Perfumeの『GAME』はアルバムとして素晴らしい出来であることは間違いありません。今回、一緒にマライアとジャネットのアルバムも聴いてみましたが、完全にPerfumeの圧勝でした。ついこの間まで、アキバで人気のB級アイドル程度にしか思われてなかったPerfumeが、世界的な大物アーティストにアルバムの内容で勝つ日が来るとは、人生何があるか本当にわかりません。

これだけ素晴らしいアルバムなのですから、海外マーケットでも勝負できる気もしてきます。海外で日本のアーティストが売れた例は過去にもありますし、正直今のPerfumeには勝ち目は十分あると思うのです。アメリカ限定で考えても、ビジュアル系バンドのイベントが成功したり、PUFFYが人気でアニメになったりしてるわけですから、考える価値はあるんじゃないでしょうか。ともかく、今後のPerfumeの動向は日本のエンタメ業界の方向性に影響を与えていくと思われますので、注目しておいて損はないと思います。

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レッド中尉(れっど・ちゅうい)
プロフィール:東京都在住。アニメ・漫画・アイドル等のアキバ系ネタが大好物な特殊ライター。企画編集の仕事もしている。秋葉原・神保町・新宿・池袋あたりに出没してグッズを買い漁るのが趣味。

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