瀧川 正実 2015/3/27 7:00

大塚家具が運営していた通販サイトが、2014年11月に相次ぎ閉鎖されたことがわかった。北欧インテリアを販売するオンラインショッピング「Morgenmarked」と、リブセンスと2014年4月に共同で運営を始めた家具・インテリアの通販サイト「kagūno(カグーノ)」を閉店。大塚家具によると「(現在の)社長と会長の方針の違い」が理由という。

「kagūno(カグーノ)」はサイトデザインや設計、ウェブマーケティング全般をリブセンスが担当。商品の供給、フルフィルメントなどを大塚家具が担う役割分担で2014年4月23日にオープンした。

大塚家具は一部の商品に限定して通販・ECを展開していたが、リブセンスとの提携で本格的なEC展開を開始。リブセンスは、2018年を最終年度とする中期経営計画に掲げた新規事業による収益基盤拡充の一事業としてスタートした。

だが、「kagūno(カグーノ)」の通販サイトは2014年11月28日で閉鎖。同サイトには、「取り扱っておりました商品は、引き続き株式会社大塚家具が店頭で販売しております」と告知文が掲載されている。

大塚家具とリブセンスが共同運営していた「kagūno(カグーノ)」

「kagūno(カグーノ)」は11月28日に閉鎖(画像は編集部がキャプチャ)

リブセンスによると、「サービスの作り方、事業の取り組みといったところで、方向性の違いがあった」(広報担当者)とコメント。大塚家具は「先方(リブセンス)があることなので回答を控える」としている。

2012年にオープンした北欧インテリアを販売するオンラインショッピング「Morgenmarked(モルゲンマルケット)」の運営も2014年11月に停止。北欧テイストの家具・インテリアを扱うオンラインサイトとして事業展開していた。

オンライン連動のために設置していた実店舗も同時期に閉鎖している。大塚家具によると「店舗閉鎖に合わせてオンラインも閉めた」と言う。

ネットショップ「Morgenmarked」も2014年11月に閉鎖された

「Morgenmarked」も同時期の2014年11月に閉店している(画像は編集部がキャプチャ)

大塚家具は、2009年に社長へ就任した大塚久美子氏(現社長)が社長在任中にECサイトを開設。その久美子氏は2014年7月に社長を解任されている。その後社長に就いた大塚勝久氏(現会長)が社長在任中にECサイトは閉鎖されてた。

一般紙で騒がれているお家騒動が影響したのか訪ねたところ、大塚家具は「事業方針の違いがあった」とコメントしている。

一般紙などの報道によると、久美子氏は「気軽に入りやすい店作り」をめざし、勝久氏は「会員制を軸に店内での商品案内中心の接客」を重視しているとされている。

なお、リブセンスは2013年、価格比較サイト「cospa(コスパ)」(ベータ版)を試験運用していたが現在は閉鎖。「kagūno(カグーノ)」も閉鎖したことで、3月25日にリリースしたファッションECのwaja買収(参考記事)で、再度EC領域に進出することになる。

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