シリコンバレーに行ってきました(10) / Maker Faire Bay Area 2017 で展示

Takuya Ichise
TAKUYA ICHISE
Published in
10 min readMay 17, 2018

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サンフランシスコ 5日目です。この日から3日間 Maker Faire Bay Area 2017ロボットボール Omicroを展示してきました。

前回の記事はこちら

Maker Faireって何?

Maker Faireは様々な分野のつくり手「Maker」たちが全国から集まり、つくったものを見せ、語り、その楽しさを共有する世界的DIYイベントです。

O’Reillyの雑誌『Make』から生まれたイベントで、クラフト作家・エンジニア・アーティスト・学生・企業など出展者は多岐にわたります。

Maker Faireが開催されている地域。世界各地が開催されてます。

Make Faire Bay Areaって何?

世界のMaker Faireの元祖で、世界最大のDIYイベント

アメリカ西海岸のサンマテオで毎年行われてます。2017年が12回目の開催で、参加したメイカーは1200人。5/19~21の3日開催で来場者は20万超でした。

Maker Faire Bay Areaの特色 その1

  • ベイエリアのテック企業やスタートアップが多数出展。
  • スタートアップの実験の場
  • 子供も大人もお爺ちゃんも「これはKickstarterで買えるようになるの?」って聞いてくる。

特色 その2

  • レギュレーションが緩い。
  • 日本で仕様が厳しく制限されている火や高電圧を用いた作品が多く展示されている。
  • ただし展示申請の時点で、「展示物で人を傷つけたりしても、運営は一切責任を持たないよ。自己責任だけど大丈夫?」と確認される。
日本では消防法とかがあってできない火を使った展示
ドローンレース。
巨大テスラコイル

特色 その3

乗り物が多い。

特色 その4

ロボットも多い。

特色 その5

生き物が多い。

特色 その6

ダークゾーン展示が超充実

特色 その7

  • 展示物が多岐にわたる。
  • ハンドメイドも野菜も蒸気機関もロボットも飛行機も一緒に展示されてる。
  • 映画に出てくるアメリカの町のお祭りみたいな感じ。

なぜMaker Faire Bay Areaで展示したか

  • 世界1レベルの高いと評判の本場Maker Faire
  • 初めての海外展示
  • 慣れない英語での展示
  • ベイエリアの異常にITリテラシーの高い来場者

などのハードな条件を乗り越えたら、どこに展示しに行ってもきっと楽になると思って、自分を追い込むためここでの展示を選びました。

展示 1日目

この日は13:00から17:00までZone 6というエリアで展示を行いました。金曜だったので土日に比べるとお客さんも少なかったです。それでも他のイベントと比べると多かったですが。

日本人の出したプロダクトは全てZone6かZone2にまとめられてました。自分たちの展示スペースはテントのかなり奥まった場所で風が入らないように閉じてたので、会場で一番暑い場所でした。

展示会場の路面が運営から送ってもらってた写真で思い描いてたより遥かに悪路だったのは誤算でした。石が飛びててゴツゴツしてるので、走行時の振動で強くネジを締めてもすぐにネジが緩みました。

あとなだらかな坂になってて、そのせいでモーターに想定以上に負荷がかかったり…ロボットボールを展示するには不向きな条件でした。

展示の様子。運営が用意してくれた机はかなりダメージがあったので、日本からテーブルクロスを持っていったのは正解。

朝ごはんは会場でスタバのドーナツとコーヒーが配布されてました。アメリカは物価が高いので、用意されてたのは助かりました。

会場は町のお祭りといった雰囲気で、色んな種類の飲食ブースが出展していたので食事場所には困りませんでした。

ただハンバーガーセットを食べるのにも1食 ¥1000くらいかかるので、食費は結構かかりました。

会場は緑が多くて、休める場所も多い。

ビリヤニパーティー

1日目の夕方に出展者向けのビリヤニパーティーが催されました。Maker Mediaの創始者であるデール・ダハティ自ら大量に作ったビリヤニをMakerに配ってました。

芝生の上でバンドの演奏を聞きながら食べるビリヤニの味は素晴らしかったです。

他のMakerさんとも交流できて、忘れられない思い出になりました。

6種類くらいのクラフトビールが飲み放題でした。

2日目

2日目は10:00から19:00まで展示。開場前からお客さんが長蛇の列を作ってて、最初から前日とは全く違う雰囲気でした。

長時間 絶え間なくストレスがかかる状況で展示を続けたので、2日目の最後の方にOmicoroのモーターがバックアップ含めて全て破損しました。

夜は会場近くのバーで日本から訪れたMakerの皆さんとお酒を飲みましたが、壊れたロボットのことが気がかりで途中からあまり覚えてません。

飲み会の後は夜遅くまではんだごてを握って、モーターの修理をしてました。

3日目

この日も朝10:00から18:00まで展示。

前日夜遅くまで修理しましたが、結局モーターは直りませんでした。プロモーション動画をタブレットに入れて持って行ってたので、それと壊れたロボットの残骸で展示物の説明をしました。

2日目までに会場をあまり見て回れたなかったので、自分たち以外の展示をこの日いっぱい見て回りました。

デモンストレーションを諦めざるを得ない状況になって、みる方に気持ちを切り替えられたのは今考えると結構よかったのかもしれません。

夜は会場近くのベトナム料理屋で夕飯。

まとめ

  • これが初めての海外展示でしたが、この経験があったからこのあとに展示しに行ったMaker Faire Singapore、Maker Faire Tokyo、Maker Faire Taipei、Maker Faire Bangkokはどれもこの時ほど大変でなかった。
  • ハードウェアの最高の負荷テストになった。今後の課題がはっきりした。この経験があったのでネジやモーター、電子回路について以前より詳しくなった。
  • テックに目が肥えたベイエリアの人達はプロダクトの問題点について厳しい指摘してくるけど、必ず良い点も見つけてナイストライだね!って褒めてくれる。最高のユーザーテストができた。
  • 長時間英語で質疑応答してるうちに、綺麗な英語で答えることに諦め、ブロークンイングリッシュを使うことに抵抗がなくなった。
  • 他の方が展示してるプロダクトを見て、この時ほど打ちのめされた経験は後にも先にもなかった。来場者目線で見ると最高だったが、展示者目線だとこのイベントほど心が打ち砕かれる機会は他にはなかった。いい刺激を受けた。

Maker Faire Bay Areaの空気感は本当に素晴らしかったです。カリフォルニアの青い空の下で最高の作品、最高のメイカー、最高のお客さんに囲まれて展示したら、自由な発想でもっと堂々と作りたいものを作っていいんだなと気持ちにさせられました。

ジョブズやラリー、 セルゲイらがこの土地で起業しようと思った気持ちがちょっとだけわかりました。

最後になりましたが、プロダクトが壊れた時に工具を貸してくれた新里さん、会場周辺の情報を親切に教えてくださった菊池さん、3日間 炎天下の中一緒に辛抱強く展示をサポートしてくれた Yuta Kurotaki、本当にありがとうございました。

2018年はプラハの準備があっていけないけど、2019年は絶対また行ってリベンジするぞ!

8日目に続きます。

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Takuya Ichise
TAKUYA ICHISE

🗻Engineer, Maker 🎥http://youtube.com/@tichise