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第76回毎日映画コンクール受賞者の声

あの作品にはこんな思いが込められていたのか――。栄冠に輝いた受賞者たちへのインタビューです。

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第76回毎日映画コンクール受賞者の声

男優助演賞の仲野太賀さん 役所広司さんに学び、至った「境地」

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毎日映画コンクールで男優助演賞に決まった俳優の仲野太賀さん=東京都渋谷区で2022年1月7日、長谷川直亮撮影
毎日映画コンクールで男優助演賞に決まった俳優の仲野太賀さん=東京都渋谷区で2022年1月7日、長谷川直亮撮影

 第76回毎日映画コンクール受賞者の喜びの声は第3回。男優助演賞は「すばらしき世界」(西川美和監督)の仲野太賀さん(29)が射止めた。ここ数年、映画、テレビで印象的な役どころを好演し、進境著しい成長株だ。受賞を素直に喜んだ。【勝田友巳/学芸部】

憧れの西川組での受賞

 「『すばらしき世界』の西川組で賞をいただけたのが、何よりうれしいです」。中学生で西川監督の「ゆれる」を見て衝撃を受け、西川監督に憧れていた。「日本映画ってこんなに面白いんだと。今見返しても新しくて、偉大な作品だと思う。その後も素晴らしい作品を作ってこられて」

 実は西川組での仕事は初めてではない。10年ほど前、西川監督が演出したテレビドラマに半ば強引に志願して、少しだけ出演している。「セリフもない、寄りのカットもない『大学生B』みたいな役」だったが、西川監督は彼を覚えていた。「父親(俳優の中野英雄さん)の唯一の忠告が『誰かがどこかで見ているから手を抜くな』だったんですが、ほんとにあるんだね、みたいな」。冗談めかしていても、心底うれしそうだ。

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