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口パク、ハト焼死… 物議や話題呼んだ五輪開会式の演出あれこれ

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北京五輪の開会式で一斉に打ち上げられた花火。その後、開会式の演出の一部がCGであったことが判明した=北京市の国家体育場で2008年8月8日午後8時、平田明浩撮影
北京五輪の開会式で一斉に打ち上げられた花火。その後、開会式の演出の一部がCGであったことが判明した=北京市の国家体育場で2008年8月8日午後8時、平田明浩撮影

 東京オリンピック・パラリンピックの開閉会式で演出の総合統括を担ってきたクリエーティブディレクターの佐々木宏氏(66)が18日、辞任した。大会に込めた理念やメッセージを披露する象徴的な式典を巡っては、過剰な演出やアクシデントにより、物議を醸したシーンもあった。

批判呼んだ演出も

 記憶に新しいのが、2008年夏の北京五輪開会式だ。中国国旗が五輪メイン会場の国家体育場(鳥の巣)に入る際、9歳の少女が革命歌曲を披露したが、実際には「口パク」で、別の7歳少女(いずれも年齢は当時)が歌っていたことが判明した。式で打ち上げられた花火も一部でコンピューターグラフィックス(CG)による合成映像が使われたことも明らかになった。

1984年のロサンゼルス五輪では、開会式がスタートすると同時に宇宙飛行士「ロケットマン」が空中を飛んで現れた 拡大
1984年のロサンゼルス五輪では、開会式がスタートすると同時に宇宙飛行士「ロケットマン」が空中を飛んで現れた

 過去の五輪の開会式では平和の象徴とされるハトの放出が定番だったが、1988年のソウル五輪では、思わぬ悲劇を生んだ。放たれたハトが聖火台の炎で焼け死んでしまい、動物愛護団体が抗議した。

 もちろん平和の祭典には数多くの名場面もあった。84年ロサンゼルス五輪の開会式で、背中にジェット噴射装置を付けた「ロケットマン」が空中遊泳する姿は大きな話題を呼んだ。五輪の商業化路線へとかじを切った大会は、開会式のショーアップ化を加速させた。

1996年アトランタ五輪の開会式で聖火台に点火するトーチを掲げるローマ五輪の金メダリストで元プロボクサーのムハマド・アリさん=1996年7月19日、片山喜久哉撮影 拡大
1996年アトランタ五輪の開会式で聖火台に点火するトーチを掲げるローマ五輪の金メダリストで元プロボクサーのムハマド・アリさん=1996年7月19日、片山喜久哉撮影

感動呼んだアリさん

 開会式では、最終聖火ランナーにもドラマが生まれ、多くの人の感動を呼んだ。96年アトランタ五輪で、世界的な名ボクサーで60年ローマ五輪金メダリストのムハマド・アリさんはパーキンソン病を患いながら震える手で聖火をともした。00年シドニー五輪では、開催国オーストラリアの先住民族アボリジニの女性で陸上競技のキャシー・フリーマン選手が大役を務め、民族融和を表現した。12年ロンドン五輪では、映像を組み合わせた演出も話題になった。英国のエリザベス女王が、人気映画「007」の主人公、ジェームズ・ボンドと一緒にパラシュートでメイン会場の上空から飛び降りる映像が流れ、開会式の最も印象的な場面と言われた。

東京五輪の開会式ではメイン会場の上空で航空自衛隊の「ブルーインパルス」が五輪を描いた=東京都新宿区で1964年10月10日、出版写真部員撮影 拡大
東京五輪の開会式ではメイン会場の上空で航空自衛隊の「ブルーインパルス」が五輪を描いた=東京都新宿区で1964年10月10日、出版写真部員撮影

東京では青空に五輪が描かれ

 前回の64年東京五輪の開会式は、航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」が会場上空に五輪を描き、広島に原爆が投下された45年8月6日に生まれた当時早大競走部1年の坂井義則さん(故人)が聖火リレーの最終ランナーを務めた。【岩壁峻】

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