「袴田事件」元裁判官・熊本さん死去 「真剣に向き合ってくれた」 姉の秀子さんら悼む声

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熊本典道さん=福岡市東区で2014年5月9日午後3時9分、荒木涼子撮影
熊本典道さん=福岡市東区で2014年5月9日午後3時9分、荒木涼子撮影

 1966年に静岡市で起きた「袴田事件」の1審・静岡地裁で主任裁判官として死刑判決に関わった元裁判官、熊本典道さん(83)が死去したことが明らかになった。関係者が12日に明らかにした。2007年に「無罪の心証があったが多数決で敗れ、信念に反する判決文を書いた」と告白して、袴田巌元被告(84)の再審請求の支援を表明。「評議の秘密を破った」と批判もされた。関係者に受け止めを聞いた。【古川幸奈】

 「静岡地裁のとき、袴田君の事件を第2回の公判から判決言い渡しまで担当しました。判決の日から今日まで心痛は続いています」。第1次再審請求中の07年1月、袴田さんの支援者のもとに1通の手紙が届いた。差出人は「熊本典道」。1968年に静岡地裁で死刑判決を下した裁判官の一人だった。

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