異例の提訴 伊藤詩織さんが「セカンドレイプ」と訴えた中傷ツイートの拡散力

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SNS上で誹謗中傷を受けたとして提訴し、記者会見で質問に答える伊藤詩織さん(右)=東京都中央区で2020年6月8日午後2時33分、北山夏帆撮影
SNS上で誹謗中傷を受けたとして提訴し、記者会見で質問に答える伊藤詩織さん(右)=東京都中央区で2020年6月8日午後2時33分、北山夏帆撮影

 性暴力被害を訴えたジャーナリストの伊藤詩織氏(31)が8日、ツイッター上の侮辱的なイラストや言葉で名誉を傷つけられたとして、漫画家はすみとしこ氏とはすみ氏の投稿をリツイートした2人を相手取り、計770万円の慰謝料、弁護士費用の支払いを求めて東京地裁に提訴した。伊藤氏側は、性暴力被害を訴えたことを巡って、はすみ氏から「精神障害からくる虚言」「『枕営業』の失敗からくる逆恨み」「金銭目当ての虚偽」などと愚弄(ぐろう)されたことは「セカンドレイプ(2次被害)」にあたると主張し、一連の投稿の削除と謝罪の掲載を求めた。はすみ氏はイラストについて「フィクション」と投稿している。セカンドレイプを巡る提訴は、3次被害を招く恐れがあることから異例。また、ネット上の誹謗(ひぼう)中傷を巡っては、女子プロレス選手の急死を受けて議論がわいており、訴訟の行方が注目される。【宇多川はるか、塩田彩/統合デジタル取材センター】

「枕営業大失敗‼」など対象は5ツイート

 伊藤氏は2017年5月、名前と顔を出して記者会見し、元TBSワシントン支局長の山口敬之氏による性暴力被害を告発。同年9月、「望まない性行為で精神的苦痛を受けた」として山口氏を相手取り東京地裁に提訴した。地裁は19年12月、被害事実を認め、山口氏に賠償命令。山口氏は不服として控訴した。山口氏は刑事事件では不起訴となっている。

 今回の訴えで、伊藤氏側は、はすみ氏による17年6月から19年12月までの五つのツイートが名誉毀損(きそん)にあたるとした。

 一つ目は、伊藤氏とはすみ氏の顔写真を並べ、「精神疾患患者は、薬の影響なのかよくわからんが、瞳の瞳孔が収縮傾向にある」として、「医療関係者は『精神疾患患者』を、患者は『お仲間』を、見分け…

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