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不動産の転貸契約「サブリース」(借り上げ家賃保証)を悪用した投資の勧誘が広がっている。新たな顧客層を取り込むために投資知識のない若者がターゲットになっており、知らぬ間に不正な契約を結ばされた顧客が住宅ローンの一括返金を求められる恐れも出ている。【山本有紀、松本惇】
「年収250万円台から大家さんになれます」。あるサブリース業者のホームページには魅力的な言葉が並ぶ。全国展開する不動産会社の営業担当の社員だった男(49)はこの業者と連携して顧客にマンションを販売し、そのマンションを第三者である入居者に貸すサブリース契約を結ばせていた。顧客は金融機関から住宅ローンを借り、入居者からの賃料収入をローンの返済に充てる仕組みだ。
ところが、この売買には不正な二重契約があった。この不動産会社によると、元社員は正式な契約書とは別に、偽造印を使って契約額を多く見せかける偽の契約書を作成。これを使って顧客に住宅ローンを借りさせた。この行為は、有印私文書偽造などに問われる可能性が高い。不動産会社は「顧客も二重契約を知っていた可能性があるのではないか」とみているが、複数の顧客によると、二重契約については知らされなかったという。
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