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従来モデルと徹底比較! 動画でもわかる「Newニンテンドー3DS」の進化点!

2014年10月11日に発売された「Newニンテンドー3DS LL(以下、New3DS LL)」と「Newニンテンドー3DS(以下、New3DS)」。さまざまな機能やボタンが追加されただけでなく、処理速度も速くなっているが、ここでは従来モデルからの進化点をチェックしていきたい。

New3DSシリーズは、どこが変わったのか?【サイズ・操作性編】

まずは、サイズから見てみよう。従来の3DS LLに対応するのがNew3DS LLで、3DSに対応するのがNew3DS。それらを並べて配置してみた。

新旧4モデルを並べてみた

3DS LL(左上)、New3DS LL(右上)、3DS(左下)、New3DS(右下)と並べてみると、3DSとNew3DSの大きさの違いがひと目でわかる。なお、3DS LLとNew3DS LLの大きさはほぼ同じ

厚みや大きさを比べてみた

上が3DSで下がNew3DS。厚みや大きさが違っているのがわかる

上が3DSで下がNew3DS。厚みや大きさが違っているのがわかる

左側が3DS LLで右側がNew3DS LL。目立った違いはそれほどないので、ぱっと見ただけでは区別がつきづらい

左側が3DS LLで右側がNew3DS LL。目立った違いはそれほどないので、ぱっと見ただけでは区別がつきづらい

実際に比較してみてわかるのは、3DS LLとNew3DS LLの大きさがほぼ同じということ。3DS LLのサイズは156(幅)×93(高さ)×22(折りたたみ時の厚さ)mmで、New3DS LLは160(幅)×93.5(高さ)×さ21.5(折りたたみ時の厚)mm。幅が若干大きくなった以外はほぼ変わらない。

また、3DSとNew3DSを比べると、New3DSのほうがひと回りほど大きいことがわかる。3DSのサイズは134(幅)×74(高さ)×21(折りたたみ時の厚さ)mm。New3DSのサイズは142(幅)×80.6(高さ)×21.6(折りたたみ時の厚さ)mmで、若干ながらNew3DSのほうが大きくなっている。

3DSより大きくなったNew3DSだが、これにはワケがある。上下の画面サイズが、3DSは上が3.53インチの800×240ドット、下が3.02インチで320×240ドットとなっているが、New3DSは上が3.88インチ、下が3.33インチ(上下ともにドット数は3DSと同じ)と、画面が1.2倍ほど大きくなっているのだ。3DSと比べてみると一目瞭然で、New3DSは画面が大きくなったことでプレイがしやすくなった。ただ、手の大きい人だと若干本体を持て余すような形でホールドすることになるので、それならば、最初からより大きなNew3DS LLを購入するのもアリかもしれない。ただし、「きせかえプレート」を使って外観の着せ替えを楽しみたいという場合はNew3DSの一択になるので注意してほしい(New3DS LLはきせかえプレートに非対応)。

3DSとNew3DSを比較

左が3DSで、右がNew3DS。オープンした状態で並べた写真を見るとわかるように、New3DSは画面サイズが3DSと比べてひと回り大きい。3DSでは小さいと思った画面だが、New3DSであれば思った以上に快適なプレイができそうだ

New3DSとNew3DS LLを比較

左がNew3DS、右がNew3DS LL。画面が大きくなったNew3DSでも、やはりNew3DS LLのほうがふた回りほど大きい。画面の大きさを重視するならNew3DS LLだろう

New3DSはきせかえプレートに対応

New3DSは、きせかえプレートを使うと、このように外観を変えられる。底面のプレートを外すにはプラスのドライバー(1番)が必要になるので、あらかじめ用意しておこう。写真はNo.024のきせかえプレートで、価格は3,000円(税抜)

キノピオの顔をしたきせかえプレートを付けてみた

キノピオの顔をしたNo.019のきせかえプレートに交換。価格は1,500円(税抜)。きせかえプレートの価格帯は1,000円〜3,000円となっており、すでに50種類以上が発売されている

続いて操作性を見ていこう。New3DS LL/New3DSに追加されたボタンは、Cスティック、ZL、ZRの3つ。このうちCスティックは、レノボの「ThinkPad」シリーズなどでおなじみのトラックポイントと似たような操作感を提供するが、それと比べるとかなり硬く感じる。ほとんど傾かないのが意見の分かれるところかもしれないが、操作感は悪くない。また、ZLとZRに関しては、指が長くないと少々押しづらいかもしれない。L/RとZL/ZRをそれぞれ個別に使うゲームでは、店頭で実際にボタンを触ってみて、手の大きさや指の長さに合わせて機種を選んでほしい。

Cスティックを新設

A/B/X/Yボタンの左上に見えるのがCスティック。ThinkPadシリーズに付いているトラックポイントよりも硬いので、人によって意見がわかれそう

ZL/ZRボタンも追加

背面を見るとL/Rのさらに奥側、本体中央部分に近い位置に、L/Rより小さいZL/ZRボタンが追加された。拡張スライドパッドに対応したゲームであれば、CスティックとZL/ZRボタンを利用することができる

実際に握ってみた

New3DSを、実際に握ってみると、このような感じになる。New3DSは少し手の大きい人なら、スムースにZL、ZRへ指が届きそうだ

New3DS LLになると、ZLやZRを押すときに、同時にLRも押してしまう可能性もあった。うまい指運びが必要になるかもしれない

New3DSシリーズはどこが変わったのか?【処理速度編】

CPUの性能が上がりパワーアップしたと公式サイトにあるように、ホーム画面での切り替えや一部のソフトでの処理が格段に速く快適になった。CPUの型番やクロック数などは公表されておらず、詳細に関しては不明だが、体感してみれば速くなったのがすぐにわかる。その違いが判別できるよう、動画を撮影したので見てほしい。まずは、電源を落とした状態からオンにして、ホーム画面が出るまでを記録した。

電源オンの起動時間は、左のNew3DS LLが5秒ほど、右の3DS LLが12秒ほど時間がかかった

New3DS LLと3DS LLでの比較だが、New3DS LLが速いのがひと目でわかる。電源オフからホーム画面が出るまでの起動時間を調べてみた。結果は、New3DS LLが約5秒、3DS LLが約12秒。これだけでも、New3DS/3DS LLに買い換えたくなったという人もいるだろう。なお、New3DSとNew3DS LLの処理速度は同じだ。

次は、ホーム画面から顔シューティングをタッチし、ゲームが起動するまでを比較している。こちらも、使用しているのはNew3DS LLと3DS LLだ。結果は、New3DS LLが約4秒、3DS LLが約9秒。

内蔵ソフトの起動時間は、左のNew3DS LLが4秒ほど、右の3DS LLが9秒ほど時間がかかった

New3DS LLのほうが、アイコンをタッチしてから“NINTENDO 3DS”のロゴが出現するまでの時間も短ければ、「顔シューティング」のメイン画面に移るのも早い。この後、ホームボタンを押すとホーム画面に戻るのだが、3DS/3DS LLではホームボタンを押した後、一瞬の間が開いてから表示されるのに対し、New3DS/3DS LLはホームボタンを押してすぐにホーム画面へと移るなど、全般的にキビキビした動作になっていた。これは、ダウンロードゲームでも同じことが言えるわけで、複数のゲームをダウンロードし切り替えてプレイしている人には、New3DS/3DS LLの恩恵は大きいと言える。

処理速度に関連して、ゲームによってはロード時間が早くなるものもある。特に、New3DS発売前にリリースされた「大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS」は顕著で、ロード時間が大幅に短縮されていた。また、「モンスターハンター4G」でも、同じくロード時間縮小が確認されている。今後、New3DS/3DS LLに最適化されたタイトルが続々と登場することが予想されるので、今のうちに買い換えておくのもありだ。なお、New3DS/3DS LL専用ソフトは、Wiiで発売されたRPG「ゼノブレイド」の移植版などが予定されているとのこと。

New3DSシリーズはどこが変わったのか?【ブラウザー編】

今度は、ブラウザーアプリを使い簡単な処理速度比較を行ってみた。あらかじめ「インターネットブラウザー」アプリを起動し、“よく見るお気に入り”から“ニンテンドー3DSリンク集”をタッチ→その他のリンク部分までページをスクロールさせておく。その部分にある“ニンテンドー3DS”と描かれたボタンをタッチし、ニンテンドー3DS公式サイトが表示されるまでを録画した。

ブラウザーの読み込みでも、左のNew3DS LLが速く、右の3DS LLは時間がかかった

どちらも同じ接続環境にしているが、ここでも明らかにNew3DS LLが速いのが見てとれるだろう。しかも、ロードが終了した時点での画面を確認すると、New3DS LL側はページが下画面にきれいに収まるようレンダリングされているのに対し、3DS LLでは拡大表示されている。縮小すれば同じようにできるが、その手間がいらないNew3DS/3DS LLは便利。細かな部分を見ると、New3DS LL側のブラウザーは上画面右下に全体ページイメージと、現在どの部分を実際に表示しているのかをナビゲートする図が現れる。これも、非常にありがたい機能だ。

全体画面の拡大縮小に関しても、New3DS LL側が6段階なのに対し、3DS LL側は5段階と、よりきめ細かくなった。New3DS/3DS LLであれば、拡大縮小を虫眼鏡アイコンのタップではなく、Cスティックで行うことも可能だ。その際は、段階を経ずスムーズな拡大縮小ができる。

ブラウザーの拡大では、左のNew3DS LLが6段階、右の3DS LLが5段階だった

なお、収録されているインターネットブラウザーは、10月29日のファームウェアアップデートをかけた時点で3DSが“Mozilla/5.0 (Nintendo 3DS; U; ; ja)Version/1.7567.JP”なのに対し、New3DSが“Mozilla/5.0(New Nintendo 3DS like iPhone) AppleWebKit/536.30(KHTML,like Gecko) NX/3.0.0.5.8 Mobile NintendoBrowser/1.0.9934.JP”と変わった。両方ともACCESSの「NetFront Browser」がベースになっており、3DSが「NetFront Browser NX」、New3DS/3DS LLが「NetFront Browser NX v3.0」。New3DS/3DS LLは、新しいバージョンになっており、実際にネットワークへのアクセスがスピードアップしたのを感じた。New3DSと3DS、New3DS LLと3DS LLの4台を同時に本体のバージョンアップを行ってみたが、ダウンロード速度もアップデートもNew3DSシリーズが早かったことを付け加えておこう。

なお、3DSの「インターネットブラウザー」はAdobe Flash・動画再生・音声再生に非対応だが、New3DS/3DS LLの「インターネットブラウザー」ではHTML5に対応している動画サイトなら再生可能となった。ただし、Flash使用の動画サイトでは、これまで通り再生できない。

YouTubeもなめらかに再生することができた。CPUの処理能力が上がった証拠だ

また、New3DS/3DS LLともに初期状態からフィルタリングが有効になっており、解除するにはクレジットカード認証と32円(税込)の手数料を支払わなければ、ほとんどの通販サイトや動画再生関連サイトはアクセスした段階で弾かれる点は覚えておきたい。TwitterやFacebookも使えないので、本格的に使用する場合はフィルタリングの無効化は必須だ。もちろん、機能的にはパソコンやスマートフォンのブラウザーのほうが快適であるが、3DSには、FacebookなどのSNSへ画像を投稿する「ニンテンドー3DS画像投稿ツール」なども用意されており、投稿した画像をそのまま3DSからシームレスに見られるのは便利だ。

細かな部分から知る、New3DS/3DS LLの特徴をチェック

3DS/3DS LLでは左側面に付いていたSDカードスロットは廃止され、New3DS/3DS LLでは新たに本体底面にmicroSDカードスロットが設けられた。microSDカードを交換したい場合は、2か所でネジどめされている底面のバッテリーカバーを外す必要がある。使用できるのはSDHC規格のmicroSDカードなので、最大32GBまでだ。なお、New3DS/3DS LLと同じ無線LAN環境につながったパソコンがあれば、バッテリーカバーを外してmicroSDカードを取り出すことなく、撮影した写真を取り込んだり、音楽を移動したりすることができる。対応OSはWindows 8/7。この機能を使えば、いちいちバッテリーカバーを外してmicroSDカードを取り出すことなく、データを保存できるので便利だ。

バッテリーカバーを外せばmicroSDカードにアクセスできるものの、手間を考えると面倒。最初から最大容量の32GBを挿しておくことをオススメする。任天堂が動作確認をしているmicroSDカードが公式サイトに記載されているので、それを買えば安心だ

ちなみに、10月7日にリリースされた本体ソフトウェア「Ver.9.0.0-20J」を適用することで、New3DS/3DS LLだけでなく3DS/3DS LLでも画面のスクリーンショットが撮影できるようになった。方法は、Yボタンを押しながら十字キーまたはスライドパッドの上下どちらかを押すだけ。Yボタンを押しながら上なら上画面の、下なら下画面のスクリーンショットがmicroSDカードに保存される。

スクリーンショットを撮影すると、このようになる。下画面のスクリーンショット

スクリーンショットを撮影すると、このようになる。下画面のスクリーンショット

こちらが上画面のスクリーンショット。残念ながら、今のところはホーム画面のみ

こちらが上画面のスクリーンショット。残念ながら、今のところはホーム画面のみ

ウリの3D機能は、3DS/3DS LLから大きく進化。内側カメラによって顔の位置を認識し、的確に3D映像が見られる3Dブレ防止機能を搭載した。暗所では、内蔵カメラの右側に位置する赤外線LEDランプで顔を映すことで、3Dブレ防止機能を動作させる。本体が激しく動いてしまうアクションやシューティングゲームでも、それほどブレずに3D画面を楽しめるようになったのは大きい。「セガ3D復刻プロジェクト」シリーズなどは、その恩恵を大いにあずかるはず

上画面正面中央に見えるのが内側カメラで、明るいときはこれを使ってブレを防止する。暗い場所では、その右側にある赤外線LEDランプを使用

New3DS/3DS LLは、ヘビーユーザーだけでなく、大作ゲームをプレイする人にもオススメ!

New3DS/3DS LLは想像以上に処理速度がアップしており、ダウンロードでソフトを大量に購入し、ひんぱんに遊ぶソフト切り替えるヘビーユーザーは、これまでのストレスが嘘のように解消される。パッケージを購入してプレイする人でも、これから発売されるゲームはNew3DS/3DS LLに最適化されていくソフトがドンドン多くなっていくと思われるので、新型を買ったほうが満足度が高くなるはず。特に、「大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS」や「モンスターハンター4G」といったデータ量の大きい(重い)ゲームを中心にハマっているという人は、3DS/3DS LLから買い換えることで一気に快適になること間違いなしだ。

音無 欒
Writer
音無 欒
主にコンシューマ&ソーシャルゲームの記事を手がけるMac好きIT系ライター。ゲーム歴は40年弱。80年代のマイコン弄りや深夜アニメなどが元気の素。
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山野 徹(編集部)
Editor
山野 徹(編集部)
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