イオン、ダイエー子会社化に向けTOB実施へ=関係筋

イオンがダイエーに対してTOBを実施へ、子会社化=関係筋
3月27日、関係筋によると、イオンがダイエーに対して株式公開買い付け(TOB)を実施、子会社化する。写真はイオンのロゴ。昨年6月、都内で撮影(2013年 ロイター/Issei Kato)
[東京 27日 ロイター] イオン<8267.T>はダイエー<8263.T>に対して株式公開買い付け(TOB)を実施、子会社化する方針を固めた。筆頭株主である丸紅<8002.T>グループが応募し、保有するダイエー株約29%のうちの24%をイオンに譲渡する。イオンは、従来からの保有分と併せて発行済み株式の4割超を持ち、丸紅主導ではなかなか進まなかったダイエーの再建を一気に進める。複数の関係筋が27日、明らかにした。
2012年2月末現在で、丸紅と丸紅リテールインベストメントを併せると丸紅グループは29.2%のダイエー株を保有。一方、イオンは19.8%を保有している。TOB価格は1株270円程度で、26日ダイエーの終値317円より低く、他の株主からの応募は限られる可能性がある。丸紅からの取得額は約130億円。社長を含む取締役の過半数を派遣する予定で、27日にも正式発表する。
イオンの13年2月期の連結売上高予想は5兆6500億円。ダイエーを子会社化することで、連結売上高は6兆5000億円規模となり、流通業で圧倒的なパワーを持つことになる。イオンは、今月4日にもJ.フロント リテイリング<3086.T>から食品スーパー「ピーコックストア」(東京都杉並区)を買収すると発表しており、規模拡大に向けた投資を積極化している。
ダイエーは、2013年2月期に最終黒字化を目指していたが、競争激化により、5期連続の最終赤字を余儀なくされた見通し。売上高についても、2010年2月期に32年ぶりに1兆円を割り込み、その後も減収が続いている。2013年2月期の連結売上高は8430億円(前年比3.0%減)、営業利益は15億円(同59.8%減)と減収減益見込み。
ダイエーの桑原道夫社長は、2010年5月に丸紅副社長からダイエー社長に転じた。3カ年計画で掲げた目標の中で、11年2月期の営業黒字化、12年2月期の経常黒字化と順次クリアしてきたものの、「2013年2月期の最終損益黒字化」の目標は達成できず、引責辞任の色合いが濃い退任となる。
ダイエーは、小売業で売上高日本一を記録するなど一時はリーディングカンパニーになったものの、拡大路線がたたり、経営難に陥った。2004年から産業再生機構の支援を受けた。2006年にはスポンサー企業となっていた丸紅が機構から株式を取得、07年3月には丸紅が保有するダイエー株の一部をイオンに譲渡し、3社による資本・業務提携に至っていた。
イオンと丸紅は「現段階において決定している事実はない。今後開示すべき事項が決定された場合は、速やかに開示する」とのコメントを発表した。
(ロイターニュース 清水 律子:編集 内田慎一)
*内容を追加して再送します。

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