フィッチがフランスを「AAプラス」に格下げ、最上級失う

フィッチがフランスを「AAプラス」に格下げ、最上級失う
7月12日、フィッチはフランスの格付けを「AAA」から「AAプラス」に引き下げた。見通しは「安定的」。写真は2011年7月、パリで(2013年 ロイター/Eric Gaillard)
[ニューヨーク 12日 ロイター] - 格付け会社フィッチ・レーティングスは12日、フランスの格付けを「AAA」から「AAプラス」に引き下げた。ユーロ圏危機を背景に景気の先行きが不透明なほか、構造改革の実施が必要なためとした。
見通しは「安定的」。
フィッチの格下げによって、フランスは格付け大手3社すべての最上級格付けを失った。財政再建・景気活性化を進めるオランド大統領とっては大きな痛手となる。
フィッチは声明で、低迷する国内総生産(GDP)や失業率の悪化、財政赤字、さえない外需を格下げの理由として指摘した。
さらに、財政見通しに対するリスクは「おおむね下向き」とした。
フランスの一般政府総債務について、2014年に対国内総生産(GDP)比96%でピークに達した後、長期にわたり緩慢なペースでの減少にとどまり、2017年も92%に高止まりするとの見通しを示した。
「債務の対GDP比がより長期間にわたって高水準にとどまることで、さらなる衝撃を吸収する財政上の余地が狭まる」と警告した。
フランスのモスコビシ経済・財政相は声明で、政府は公共財政赤字の削減、雇用と成長の回復にコミットしていると強調した。
さらに、フィッチが格付け見通しを「安定的」としたことに言及し、労働市場や年金制度の改革、銀行部門のリスクエクスポージャー削減に向けたフランスの取り組みを反映しているとの見解を示した。
スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)はフランスの格付けを「AAプラス」、見通しは「ネガティブ」とし、ムーディーズは「Aa1」、見通しは「ネガティブ」としており、ともに、さらなる格付けの可能性を示唆している。
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