インドネシア中銀が政策金利を50bp引き上げ、ルピア防衛狙い

(内容を追加しました)
    [ジャカルタ 29日 ロイター] - インドネシア中央銀行は2
9日、主要政策金利のBIレート を50ベーシスポイント
(bp)引き上げ、7.0%とした。6月以来3度目の利上げで、BI
レートは2009年6月以来の高水準となった。
    景気減速への懸念や米金融緩和策の早期縮小観測を背景に急落を続
けるルピア相場の安定化を目指す。
    翌日物預金ファシリティー金利(FASBI)も50bp引き上げ
、5.25%とした。貸出ファシリティー金利は25bp引き上げて7
.0%とした。
    
    ルピア相場 は利上げにはほとんど反応を示さず、1ドル=1
万0920ルピアで取引されている。年初からは11%超下落し、アジ
ア通貨の中でインドルピーに次いで2番目にパフォーマンスの悪い通貨
となっている。
    ここ2週間でルピアの圧迫要因となったのは、第2・四半期に経常
赤字が対国内総生産(GDP)比で予想を上回る4.4%となったこと
だ。中銀はこの日の声明で、第3・四半期に同比率は3.9%に縮小す
るという見通しを示した。
    中銀は今月15日の会合で政策金利を据え置いていたが、この日臨
時会合を開催した。声明では、マクロ経済と金融の状況が「このところ
、世界経済についての不透明感の高まり、高インフレ期待、そして経常
収支の持続可能性についての見方を映し、激しさを増していた」ため、
臨時会合が必要だと判断したと表明した。

    ただ、エコノミストの中にはルピアを安定化するには今回の利上げ
だけでは不十分だとする声もある。
    スタンダード・チャータード銀行(ジャカルタ)は顧客へのノート
で、「中銀による利上げは(ルピアにとって)短期的にはポジティブだ
が、われわれの見方では、(ルピアを)安定化するには十分ではない」
と述べた。同行は9月末までにルピアが1ドル=1万2000ルピアを
つけると予想している。
    中銀は6月と7月に計75bpの利上げを実施している。
    
    OCBC銀行(シンガポール)のエコノミスト、Gundy Cahyadi氏
は今回の金利決定について、中銀が状況を把握し、インフレ期待の抑制
を目指しているというシグナルを送ることや、景気が減速するなか輸入
の伸びを抑制することなどを意図したものとの見方を示した。
    過去2週間にインドネシアの株式市場は大きく下落したが、ジャカ
ルタ市場の総合株価指数 は28日に1.5%反発し、この日も
1.9%上げた。
    
    インドネシアのインフレと金利のグラフィックはこちらをご覧くだ
さい。
    http://link.reuters.com/nef95s
        
    2013年のBIレートの推移
 発表日          %
---------------------------------------
    29-Aug-2013              7.00
    15-Aug-2013              6.50
    11-Jul-2013              6.50
    13-Jun-2013              6.00 
    14-May-2013              5.75 
    11-Apr-2013              5.75  
    07-Mar-2013              5.75  
    12-Feb-2013              5.75  
    10-Jan-2013              5.75

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